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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第56話:燃える学び舎
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ん、何をっ!?」

 突然の彼女の行動に驚く2人だったが、その直後エレベーターの天井を突き破り何者かが入り込んできた。その何者かは2人を庇ったアルドを踏みつけ、咄嗟に反撃しようとした慎次の首を掴んで締め付けた。

「がはっ!?」
「うぅ……」
『どうした緒川ッ!?』

 通信機越しに天井が突き破られる音と2人の苦悶の声が聞こえたからか、弦十郎の心配する声が通信機から響く。しかし当然2人にはそれに答える余裕はない。

「こうも早く悟られるとは…………何が切っ掛けだ?」

 天井から入ってきたのは腰まで伸びた金髪に黄金のネフシュタンの鎧を纏った女性──櫻井 了子ことフィーネだった。
 フィーネはアルドの背を踏みつけ押え付けつつ、真相に辿り着いた慎次を問い詰める。

「ヒントは、アルドさんとウィズさんがくれました」
「カ・ディンギルとは、古代シュメールの、言葉、で、くぅ……『高みの存在』……転じて、『天を仰ぐほどの塔』、を……意味する言葉です」

 カ・ディンギルが何を意味しているかは、先程颯人とウィズが連絡を取った際に二課に知らされていた。ウィズもアルドもそれらに関する知識は豊富であり、その言葉の意味を知っていたのだ。

「ほぉ? 知っていたのか?」
「これでも、知識には自信がありまして……あっ!? あぁ、かっ?!」

 アルドの言葉に、フィーネは踏みつける力を強くすることで応えた。肺が押し潰され、呼吸が儘ならないアルドの口から苦悶の声が零れる。
 悶えるアルドを無視して、フィーネは慎次に続きを促す。

「それで? カ・ディンギルの意味が分かったとして何処で正体に気付いた?」
「簡単な事です。塔なんて目立つ物を、誰にも知られずに建造するには、地下へと伸ばすしかありません。そして了子さんがフィーネであるとすれば、そんな事が出来るのは特異災害対策機動部二課、そのエレベーターシャフトしかありません」
「そうか。はやりあの2人は確実に始末しておくべきだったな。漏洩した情報を逆手に、上手くいなせたと思ったのだが……」

 フィーネが己の不手際に忌々し気に溜め息を吐くと同時に、エレベーターがフロアに到着する。

 ドアが開いた瞬間、慎次はフィーネの手を振り解きエレベーターから飛び出すと懐から取り出した拳銃を発砲。同時にアルドが銀のハーメルケインを振り上げ、フィーネに突き刺そうとした。

 しかしどちらも生身の部分を狙ったにも拘らず、銃弾も刃も皮膚を破るどころか傷付ける事すらなかった。

「くっ!? やはり模造品では、がっ?!」
「ネフシュタン!? ぐっ!?」

 フィーネは踏みつけていたアルドを慎次に向けて蹴飛ばし、慎次は咄嗟にアルドを受け止めて無防備になってしまった。
 そこにネフシュタンの鎖
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