装者達のハロウィンパーティー2020
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なななななななにするのよッ!?」
「いや、マリィがこういうのを求めてそうな顔してたもんでつい、な」
「そんなわけ……」
「まあ、感想は後でゆっくり聞くことにするさ。周囲の目がない所で、な」
「ッ!!」
耳打ちで、ウインクと共に放たれた殺し文句。
直後、マリアの顔がポンッと赤くなった。
「あ!マリア姉さんだけズルいです!」
「セレナにはまだ早いぞ」
「ズールーいーでーすー!わたしもツェルト義兄さんに口説かれてみたいです!」
そう言って、ツェルトの袖を引っ張るセレナ。
オーバーヒートしていたマリアは、慌ててセレナに目線を合わせると説得を試みる。
「セレナにはまだダメよッ!こういうのはもっと大人になってから、なんだから!」
「わたし、本当は姉さんと2歳違いなんです!もうちゃんと大人なんですからッ!」
「そういう事じゃないのよッ!」
「2人とも、喧嘩するんじゃない」
姉妹喧嘩が始まりそうな流れに、ツェルトは仲裁に入ろうとする。
しかし、帰ってきたのはまさかの答えだった。
「ツェルト義兄さん、わたしの事も口説いてくれますよね?」
「ダメよッ!ツェルト、あなたからも止めてくれるわよね!?」
「えっ……?」
自分も口説かれてみたい、と駄々をこねる義妹。
それを慌てて止めようとする過保護な彼女。
どちらの主張を取るかの判断を迫られ、ツェルトは思わず後ずさった。
「ツェルト!」
「ツェルト義兄さん!」
「む、むぅ……」
傍から見ればラブコメ漫画、あるいはラノベの1ページのような光景。
俗に言う「修羅場」とも言える状況。
ツェルトは決断を迫られる。
だが──
(さーて、どうしたものかな……)
顎に手を当てて思案するツェルトの顔は、何処か楽しそうでもあった。
“Trick and Trick”
灰髪赤眼のヴァンパイアは、菓子よりもっと甘い物がお好みらしい。
ff
「恭一郎くん、どう……かな?」
「未来、さん……」
未来の装いに、恭一郎はゴクリと唾を飲んだ。
紫を基調に黒が入り、革製のベルトが巻かれたドレスは胸元が開いている。
背中にはコウモリのような羽。腰のベルトには針金入りの尻尾。
口元から覗く牙、両手には手袋。
そして頭には、弧を描く2本の角が付いたカチューシャが。
そう、未来の装いは見ての通り、小悪魔である。
最低限の露出でありながら、恭一郎は今の彼女の姿に……どことなく妖艶さを感じていた。
(ヤバい……。今日の未来さん、スケベすぎる……ッ!?)
恭一郎はナイトとしての理性を総動員し、湧き出す劣情に抗う。
しかし、それは彼にとって試練というより苦行であった。
(い
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