第二章
[8]前話
「どっちもないから」
「そうでしょ、だからね」
「手を出せばいいの」
「そして彼の手をつなげばいいのよ」
「そうなのね」
「じゃあいいわね、今度こそよ」
彼の手をつなげとだ、こう言ってだった。
彼女はドリブルに入った、私もそれに続いた。その後はこれといって話すことはなかったけれどだった。
その日の部活が終わって待ち合わせてだった、そうして。
私は彼とのデートに入った、二人で楽しいお喋りをしてデートの楽しみを満喫している間にだった。
私は何とか彼と手をつなごうと何度も何度も彼の方に手を差し出そうとした、けれどその度にだった。
私はどうしても竦んだ、そうこうしている間にデートの終着点である彼の最寄りの駅のところに来た。電車がそこで停車するのだ。
その時が来て私は今度こそと思って彼の方に手を差し出した、そして遂にだった。
私は彼の手を握った、やったと思ったその瞬間に。
彼は私に笑顔でこう言ってきた。
「手をつなぐのってはじめてね」
「え、ええ」
私は彼に顔を真っ赤にして答えた。
「そうよね」
「そうだね、じゃあこれからはね」
「またこうしていい?」
「僕の方からもこうしていいかな」
「ええ、お願い」
彼にこう言った、そうしてだった。
彼は今は電車を降りた、私達は笑顔で手を振って別れた。そして次の日私は親友の彼女に朝のクラスでそのことを話すと。
彼女は私に笑ってこう言ってくれた。
「よかったじゃない、やっとだけれど」
「手をつなげたわ」
「そこまでいったわね、じゃあ次はね」
「キスっていうのね」
「そこまでいきなさい、まあ私もね」
彼女はここでは苦笑いになって言ってきた。
「実はキスからね」
「そこから先にはなのね」
「いっていないけれどね」
「それじゃあ」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「私も頑張るわ」
「そうするのね」
「そうするわ、じゃあ今度はあんたはキスで」
私に笑顔で言ってきた。
「私はそこから先によ」
「進むのね」
「そうするわ、だからお互いにね」
「頑張っていこうっていうのね」
「そうしましょう」
こう言ってだった、彼女は私に今度はファッションの話をしてきた。それで私もその話に乗って二人でファッションの話をした。今時の女子高生の話を朝から満喫した。
SOFT TOUCH 完
2020・4・1
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