四十一 侵攻
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り上げた。
「────すまない」
唐突な謝罪を受け、ナルトは瞳を瞬かせた。
空の青を思わせる双眸に見据えられ、次郎坊は一瞬たじろぐも、再度謝罪を口にする。
「見殺しにする気か、と俺はお前に失礼なことを言った」
鬼童丸と、右近・左近。無事に生還してきた彼らの姿をチラッと見やって、次郎坊は頭を下げる。
以前、サスケの里抜けに助力した『音の五人衆』、結果的に『根』に捕らえられた『音の五人衆』────君麻呂・多由也・次郎坊、それに鬼童丸と右近・左近。
前者は思惑通りに死を偽造し、こうしてナルトの許にいるが、後者は『根』に捕らえられ、天地橋へ木ノ葉の忍びと共に向かった。そこで大蛇丸と鉢合わせたにもかかわらず、無事に生きて戻ってきた彼らの姿を、次郎坊は聊か信じられない面持ちで眺める。
死んだはずの部下が実は生きていて、しれっと天地橋へ向かうとどうなるか。
てっきり死んだも同然だと考えていた故に、見殺しにする気かとナルトを非難していた次郎坊はすっかり恐縮しきった表情を浮かべる。
反してナルトを信じ切っていた多由也はそらみたことか、とばかりに胸を張った。
「だから言っただろーが!ナルトに口出しすんじゃねぇって」
「なんでアンタが偉そうにしてんのよ。ダーリンが凄いのであって、アンタの功績じゃないでしょーが」
ふふん、と笑う多由也に対し、香燐が呆れ顔を浮かべる。
相変わらずナルトを挟んでギャンギャン騒ぐ女性陣を横目にしながら、君麻呂は気遣わしげな視線を主に向けた。
「どうかなさいましたか、ナルト様」
鬼童丸と、右近・左近を伴って帰ってきたナルトに最も喜んだひとりは、主人の顔色を窺う。
浮かない顔でなにやら思案しているナルトは君麻呂の視線に、「ああ…」と曖昧に笑った。
「いや…少々、面倒なことになりそうだな、と思ってね」
【念華微笑の術】で事後報告をカブトから受けたナルトは、溜息をつく。
鬼童丸と、右近・左近に渡していたチャクラ増強剤としての丸薬。
それを作った本人に改めてお礼を述べようと考えていたナルトは、カブトからの新たな報告に眉を顰める。
大蛇丸がサスケに敗退し、逆に乗っ取られた事。うちはサスケが『暁』加入する事。
春野サクラが木ノ葉の忍び達によって連れ帰られた事。
そしてなにより、“根”のサイと、かつては大蛇丸の部下としてナルトと対峙したシンが、志村ダンゾウ打倒を目論んでいる事。
それらの衝撃的な報告を続け様にカブトから聞かされ、ナルトは表情を険しくさせる。
ひとまず、サイは“根”に戻り、シンはサスケと同行するらしい
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