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大阪のたんころりん
第四章

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「消えるからな」
「それでいいの」
「ああ、別に悪い妖怪じゃないんだ」
「そうなのね」
「その柿は尻から出すらしいがな」
「頭だけの妖怪って聞いたけれど」
「それでも尻があるらしくてな」
 それでというのだ。
「そこから出すけれどな」
「何か汚い感じもするわね」
「それでも柿は柿だろ」
 柿の実であることに間違いはないというのだ。
「だから食う分には問題ないからな」
「食べていいのね」
「ああ、だから実際にな」
「拾って全部食べるって言えば」
「それでいいからな」
 それでというのだ。
「どうしてもならそうしてみるんだ」
「それじゃあ」
 真由は叔父の言葉に頷いた、そして実際にだった。
 次の日の真夜中にそのスーパーの方に行った、すると実際に頭だけの妖怪が夜道を飛び跳ねてだった。
 柿の実を撒いていた、真由はその妖怪に言った。
「柿なら全部食べるわよ」
「何っ、そうしてくれるのか」
「だって私柿好きだから」
 このことをはっきりと告げた。
「だからね」
「そうか、全部食ってくれるか」
「そうするわよ、それでいいかしら」
「よし、じゃあ全部食ってくれ」
 妖怪、たんころりんは真由の言葉に大喜びになってだった。
 彼女の前にうず高く柿を出した、全部出してから段ボールを用意してそうして姿を消してそのうえで言ってきた。
「宜しく頼んだぞ、食いきれないなら干し柿にでもしてくれ」
「それで食べればいいのね」
「そうだ、柿は残すなよ」 
 こう言い残していった、それからたんころりんは出なくなった。眉はその多くの柿を両親も呼んで段ボールに入れて家に持って帰った。
 そうして毎日柿を食べ続けていたが。
「いや、美味しいわね」
「あのね、あんた朝も柿でね」
 母は朝食に柿を二個食べる娘に言った。
「おやつも柿でしょ」
「あるからね」
「一日何個柿食べてるのよ」
「だって大好きだから」
「主食みたいに食べて、お父さんもお母さんも食べてるけれど」
 それも毎日だ。
「あんたはそれ以上ね」
「出してくれた柿本当に美味しいし」
「全部食べないと駄目だからなの」
「学校にも持って行ってね」
 そうしてというのだ。
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