第二章
[8]前話
「それに越したことはないな」
「本当にね」
「それじゃあな」
「それじゃあ?」
「干支だったらな」
ハムスターを鼠と考えての言葉だった。
「年賀状にピッピも出てもらうか」
「鼠年だと」
「丁度いいだろ」
「そうね、来年ね」
「戌年の時はゴン太に出てもらったからな」
年賀状の写真に使ったのだ。
「だからな」
「それでよね」
「そうするか」
「いいわね、それじゃあね」
「年賀状の写真にな」
「ピッピも出てもらいましょう」
「そうするか、猫はそうでなくてもな」
こうだ、夫はこう言ったが。
ここで息子が両親にこんなことを言った。
「タイとかベトナムだと干支に猫いるらしいよ」
「えっ、そうなのか」
「干支に猫がいるの」
二人は息子のその言葉には驚いた。
「そうだったの」
「干支にいるのは虎じゃないのか」
「猫がいる国もあるんだって」
こう両親に話した。
「学校で先生が言ってたよ」
「そのタイかベトナムか」
「そうした国がなのね」
「そうらしいよ、だからね」
それでというのだ。
「猫も干支の写真に使えるよ」
「それは知らなかったな」
「本当にね」
「うちには猫はいないけれどね」
それでもというのだ。
「そうだよ」
「そうか、いい勉強になった」
「猫も干支にいるのね」
二人は息子の言葉にしみじみとした顔と声で述べた、そしてだった。
ピッピを鼠年ということで年賀状の写真に出てもらった、その写真を撮った後でピッピはゴン太の頭の上に乗った、それが随分と可愛く絵になっていたので二人はあらためて彼等のツーショットを年賀状の写真にした、それは送られた人達から随分と好評だった。
干支だから 完
2020・10・26
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