最終章:無限の可能性
第264話「形勢逆転」
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「どうした?“絶望”と“蹂躙”。その二つが合わさっても自身に攻撃が通じるのが、そんなに不思議か?」
「ぐっ……!」
図星を突かれながらも、“天使”達は囲んで理力の攻撃を降らせる。
包囲された状態でのその攻撃は、本来であれば避け場のない攻撃だろう。
だが、転移で全員が移動すれば、回避は容易だ。
「ふっ!」
「くっ……!」
回避直後を狙った攻撃が迫る。
それを、優輝が一息で創造した複数の剣で阻む。
「シッ!!」
―――“一心閃・薙”
間髪入れずに優奈による一閃が優輝達の周囲を薙ぐ。
理力の守りにすら切れ込みを刻み、僅かながら“天使”達の“領域”を削ぐ。
「無駄だ!」
「はぁああああっ!!」
そんなダメージをものともしないように、“天使”は包囲攻撃を続ける。
こちら側の攻撃は効果が見られず、相手の攻撃は圧倒的。
そういった状況を“性質”によって作り出していく。
「シッ!!」
「ッ!?」
しかし、一筋の閃光が一人の“天使”を撃ち抜いた。
“天使”達の攻撃を防ぎながらも、一瞬の隙を突いて反撃を繰り出しているのだ。
「悪いけど、どれだけ“絶望”させようと、圧倒的力で“蹂躙”しようと、私達は決して諦めないわよ。たった一つの、可能性の彼方であろうと、勝利を掴むわ」
「な、にっ……!?」
さらに、転移で優奈に肉薄され、また一人の“天使”が斬り刻まれた。
「僕らの“性質”を、侮るなよ」
「イリスは、もっと用意周到だったわよ……!」
例え事象や状況に働く“性質”であろうと、“可能性”は残る。
どの“性質”にも有利という訳でもないが、一縷の希望はある。
それが“可能性の性質”たる所以だ。
「単に“性質”で追い詰めようと、“可能性”はあるのよ!」
攻撃の嵐を突き抜け、傷つきながらも優奈は突貫する。
渾身の反撃は理力の障壁を容易く突き破り、また別の“天使”の喉元を貫いた。
「だが、これだけの攻撃……!防ぎきれないはずだ!」
「どうかしら?」
現在、優奈が反撃のために攻撃の嵐を突っ切っているため、ルビアとサフィアを実際に守っているのは優輝一人だ。
理力や魔力などの障壁だけでは、到底防ぎきれない。
だが、優奈はそれに対し不敵な笑みを返す。
「なっ……!?」
各次元世界に向けられた理力の攻撃が、攻撃の嵐の中から飛んでいく。
それはつまり、ルビアとサフィアは未だに援護射撃をしているという事。
同時に、優輝一人で全ての攻撃を捌ききっている証明だ。
「本来ならば、牽制を止めるだけでも上出来だったのでしょうけど……残念だったわね。この程度、対した障害
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