第四章
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桜井は叔父夫婦の養子になった、校長は叔父が教育委員会に連絡するとそこから一気に数々の悪事が露呈してだった。
見事懲戒免職になった、そして彼の元両親は。
「捕まったの」
「ああ、二人共な」
桜井は子犬の飼い主乾真理に話した。
「捕まったよ。親父は組に警察のガサ入れが入って」
「そうしてなの」
「組の事務所に拳銃や刀があってな」
「銃刀法違反ね」
「組の人の家から覚醒剤も見付かって臓器売買の証拠とかもな」
「色々悪いことしていたのね」
「ヤクザ屋さんだからな、それでお袋もな」
母親の方もというのだ。
「親父のツテで悪いことしててな」
「そのこともわかったの」
「ああ、未成年の娘も働かせていて」
「えっ、そんなことさせていたの」
「風俗にな、それで他にも悪いことしていて」
「そのこともわかって」
「二人共捕まったよ、けれどな」
それでもとだ、桜井は真理に話した。
「俺はもう叔父さん達の家にいるからな」
「関係ないのね」
「ああ」
縁を切った、そうなっていたというのだ。
「元々親父とお袋はどっちの親戚からも鼻摘み者だったしな」
「ヤクザ屋さんだから」
「それに加えて日頃の行いも最悪だったしな」
「それでなのね」
「二人共中学の時から万引きやカツアゲやらやっててな」
「本当に悪い人達だったのね」
「だからな」
それでというのだ。
「俺も縁切ってよかったよ、あとバイクの新入りは覚醒剤中毒で死んだよ」
「そうなのね」
「ああ、しかし小次郎大きくなったな」
桜井はここで真理がリードを持っている小次郎を見て言った。
「そうした種類なんだな」
「雑種だけれど」
それでもとだ、真理は小次郎のことを話した。
「それでもそうなるみたい」
「そうなんだな」
「そうなの、それで義夫君今日はどうするの?」
「今日か?」
「お散歩の後どうするの?」
「家に帰るだけだよ」
桜井は真理に笑って答えた。
「それだけだよ」
「そうなのね」
「ああ、本当にな」
「それじゃあうちに来てくれる?」
「真理の家にかよ」
「前から小次郎を助けてくれた人だって家族に紹介したかったの」
真理は桜井ににこりと笑って答えた。
「だからね」
「それでか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「どう?今日は」
「この後か」
「どうかしら」
「そういえば真理は俺の家に来てるけれど俺は真理の家には行ってないな」
「そうよね」
「それでいいんだな」
「ええ、来て」
真理は桜井に微笑んで答えた。
「お父さんとお母さんと妹に紹介するから」
「それじゃあな」
桜井も微笑んだ、そうして答えた。もうその顔には憮然としたものはなかった。暖かいものの中に包まれている人特有の優
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