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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第55話:本当の歌
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「こっちです! 急いで!」
「はい!」
東野村の操縦するヘリに乗り込んだ響は、あっという間にスカイタワーの近くまで辿り着く。
スカイタワーに近付いたことで、空を飛ぶ大型ノイズの大きさを実感し響の顔に緊張が走る。見ると大型ノイズは輸送機の貨物ハッチの様に胴体を開き、そこから無数のノイズを投下していた。更に背部からはフライトノイズを発進させている。地上も空中もノイズだらけだ。
緊張を飲み込みながら視線を下に向けると、バイクに乗ってやってくる翼とそれにタンデムしている奏の姿が見えた。2人は既にシンフォギアを纏っており、直ぐにでも戦闘が行えるようにしている。
2人が現場入りしたのを見て、響は気合を入れ直し大型ノイズの上に上昇したヘリから飛び降りた。
「Balwisyall nescell gungnir tron」
落下しながらシンフォギアを纏った響は、右腕のガントレットのジャッキを引くと目前に迫った大型ノイズに拳を叩き付けた。
渾身の力を込めての一撃は無防備な大型ノイズの頭部に直撃し、叩き込まれたフォニックゲインが大型ノイズの頭部を崩壊させ大穴を穿った。
その大型ノイズは体を崩壊させながらゆっくり降下していき、地面に落下する直前に爆散した。
「すみません、お待たせしました!」
「いや、ジャストだ響!」
「あぁ。あの大物を一体仕留めた、寧ろ十分過ぎる位だ」
とは言え上空には勿論、地上にもまだまだノイズは居る。何よりノイズを吐き出している大型ノイズはまだ3体居るのだ。状況は微塵も好転してはいない。
即座に奏と翼は、響に続いて大型ノイズを屠ろうと別々の大型ノイズに攻撃を開始した。
「行けぇぇぇぇ!!」
[LAST∞METEOR]
「はぁぁッ!!」
[蒼ノ一閃]
奏の『LAST∞METEOR』と翼の『蒼ノ一閃』が別々の大型ノイズに向け飛んで行くが、その攻撃は間に割って入った無数のフライトノイズによって威力を殺され大型ノイズまで届かなかった。
その光景に2人は苦虫を噛み潰したような顔になる。
「ちっ!? さしずめノイズのチャフって奴かよ」
「敵に頭上を取られると、こうもやり辛いとは」
「なら、もう一度ヘリに乗って上に──」
響が全てを言い切る前に、数体のフライトノイズが東野村の操縦するヘリに突撃した。危険を察知した東野村が必死に機体を操縦して回避しようとするが、多勢に無勢でテイルローターを吹き飛ばされ操縦不能に陥り落下する。
「そんな!?」
「東野村さん!?」
「くっ!? 駄目だ、間に合わない!?」
せめて東野村だけは助けようと動く翼だったが、翼がヘリに取り付いて彼を引っ張り出すよりもヘリが墜落する方が早い。目の前でまた1人仲間が命を
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