第44話 =あいさつ=
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=第22層=
ちょっとした大騒動から数日後、リズのお店も休みと重なり久しぶりに昼過ぎまで寝ていたんだけど「昼まで寝てちゃ駄目でし
ょ!」とサチにたたき起こされ軽い昼ごはん+スイーツを作っていた。
「……たく…せっかくいい夢見れたのによ…」
「いつまでもグチグチ言ってないで早く作りなさいよ」
へいへい、と空返事しながら夢を思い出す。確か内容は…昔のことだっけ、このSAOが始まるよりももっと前
今更思い出しても俺には真似できることないな、と自嘲気味に笑いながらタルトを作っていると「なに笑ってるの?」とユカに
つっこまれてしまったが…。
「…出来たぞ〜ソンロンゴアのミンチ丼とトルカ苺のタルト」
ソンロンゴアとは生食専用の魚でその丼物はいわゆるネギトロ丼だ。上の層で取れたのがこちらに出回ってきてそれをシリカた
ちが朝市で買ったらしい。そして珍しく現実と同じく苺と呼ばれているこれは形、味がそのまま苺だからこう呼ばれており、ト
ルカというのはトルカの畑という場所で取れるから苺の名前につけられている…プレイヤーの中でだけど…。実際はとてつもな
く長い名前だけど恐らくプレイヤーの誰一人として名称を進んで言うやつはいないだろう。
それにしても本当に料理簡単だよな…。どんぶりはともかくタルトなんて材料混ぜて焼くだけじゃないからな…スイーツなんてこっちでしか作ったことないけど。
「……ぁむ…タルト美味しいわね」
「本当…スイーツで男子に負けるって複雑だなぁ…」
いきなりサチとユカがタルトを食べだすが一緒に出されたらそこら辺は自由、というのがこの世界の暗黙の了解だ。唯一ってい
っちゃなんだけど数少ない娯楽だからそこにマナーやらなんやら言われると害されて気分が悪いというのが共通の考えなのでい
つしか定着していった。
そして料理スキルを同じく完全習得しているサチだが負けているというのはどうやら数字に見えない隠れス
テータス的なもので「ご飯類」、「パン類」そして「デザート類」に分かれているらしく「デザート類」に関しては俺のほうが
高レベルなためこういう表現をしていると思う。
「全国の男性パティシエさんに謝れ…」
さすがに俺はともかくそれは偏見だぞ。
「…はむ…はむ……ふぁれかひふぁみひゃいふぇふよ?」
「シリカ…なんて言ってるかわかんないわよ…」
その直後、来客を知らせる鐘が鳴り響くので「誰か来たみたいですよ」と言おうとしたんだろう。紅くなっているシリカにティ
ッシュっぽいものを渡しながらいまだ鳴らしている人物がいるであろう玄関に向かう。
「はー…い……ど、どうした?」
「こんにちはリクヤ君。引越しの挨拶に来たの」
俺がドアを開ける
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ