暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
尾行〜
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「・・・すー・・・」


窓から差し込む朝日。

「ううん・・・」

その光を受け、光から逃げるように毛布を被る。

「・・・なさいよ、ほら・・・き・・・」


詠の声が聞こえてくる。

「う・・・ぅん・・・あと五分・・・」

「・・・・・・わよ」

「ん〜・・・」

キュィィ・・・ン

そして耳にソードスキルの発動音が・・・ソードスキル?


「虎牙破斬!!」

ズガアアン!!

「ぎゃああああ!?」

寝惚けている頭に衝撃が走り、一瞬で意識が覚醒した。

「・・・起きた?」

「起きた、じゃねーよ!一瞬焦ったわ!」

「何よ。今日は用事があるから時間に起こせって言ったのは咲じゃない」

「だからってソードスキルは・・・あ」

「別に当たる訳じゃないから平気でしょ。・・・どうしたの?」

時刻を確認・・・約束の時間まで、後十分。

「ーーーーーっ!?」

俺は立ち上がり、立て掛けてある方天画戟を掴み、走り出す。

『さ、咲さん!?』

「ちょ、ちょっと!」

「悪い詠!遅刻しそうだから行ってきます!!」

「あんま急ぐとこけるわよー!」

「大丈夫ー!行ってきまーす!」

俺は急いで転移門に走る。


「やばいやばい・・・」

あの圏内事件から二ヶ月が経過した。六月に入り、大分気温も上がった時期に・・・全力疾走しているもの一名。


『なんでアラームをセットしなかったんスか・・・?』

「こっちの世界ぐらい時間に縛られずに寝たいんだよ・・・」

『とにかく急いだ方がいいッスね』

俺は転移門に向かって跳ぶ。

「転移!リンダース!」

身体が青の光に包まれ・・・

「・・・っとぉ!」

そのままの勢いで転移を完了し、再び走り出す。そして目当ての店に駆け込み・・・


「ギリっギリセーフ!!」

「うわっ!」

ガキョン!

見るとリズがハンマーを振り下ろしているとこだった。

「あ・・・ごめん」

するとリズはため息を吐きながら・・・

「まったく、アスナといいアンタといい・・・」

「あれ?アスナ来てたのか?」

「え?知らなかったの?何か誰かに会うから装備を綺麗にしにきて・・・」

「・・・?今は攻略に手間取ってる時期なのにな・・・あっ、と・・・これ、お願いできる?」

俺は背負っていた方天画戟をリズに渡す。

「しっかし、この武器もよく持つわねぇ。初めて会った時も持ってなかった?」

「あの時か・・・リズも地味だったよなぁ」

「地味で悪かったわね。あと、五分前行動を心掛けた方がいいと思うわよー」

「あはは・・・ごめん」


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