尾行〜
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「・・・すー・・・」
窓から差し込む朝日。
「ううん・・・」
その光を受け、光から逃げるように毛布を被る。
「・・・なさいよ、ほら・・・き・・・」
詠の声が聞こえてくる。
「う・・・ぅん・・・あと五分・・・」
「・・・・・・わよ」
「ん〜・・・」
キュィィ・・・ン
そして耳にソードスキルの発動音が・・・ソードスキル?
「虎牙破斬!!」
ズガアアン!!
「ぎゃああああ!?」
寝惚けている頭に衝撃が走り、一瞬で意識が覚醒した。
「・・・起きた?」
「起きた、じゃねーよ!一瞬焦ったわ!」
「何よ。今日は用事があるから時間に起こせって言ったのは咲じゃない」
「だからってソードスキルは・・・あ」
「別に当たる訳じゃないから平気でしょ。・・・どうしたの?」
時刻を確認・・・約束の時間まで、後十分。
「ーーーーーっ!?」
俺は立ち上がり、立て掛けてある方天画戟を掴み、走り出す。
『さ、咲さん!?』
「ちょ、ちょっと!」
「悪い詠!遅刻しそうだから行ってきます!!」
「あんま急ぐとこけるわよー!」
「大丈夫ー!行ってきまーす!」
俺は急いで転移門に走る。
「やばいやばい・・・」
あの圏内事件から二ヶ月が経過した。六月に入り、大分気温も上がった時期に・・・全力疾走しているもの一名。
『なんでアラームをセットしなかったんスか・・・?』
「こっちの世界ぐらい時間に縛られずに寝たいんだよ・・・」
『とにかく急いだ方がいいッスね』
俺は転移門に向かって跳ぶ。
「転移!リンダース!」
身体が青の光に包まれ・・・
「・・・っとぉ!」
そのままの勢いで転移を完了し、再び走り出す。そして目当ての店に駆け込み・・・
「ギリっギリセーフ!!」
「うわっ!」
ガキョン!
見るとリズがハンマーを振り下ろしているとこだった。
「あ・・・ごめん」
するとリズはため息を吐きながら・・・
「まったく、アスナといいアンタといい・・・」
「あれ?アスナ来てたのか?」
「え?知らなかったの?何か誰かに会うから装備を綺麗にしにきて・・・」
「・・・?今は攻略に手間取ってる時期なのにな・・・あっ、と・・・これ、お願いできる?」
俺は背負っていた方天画戟をリズに渡す。
「しっかし、この武器もよく持つわねぇ。初めて会った時も持ってなかった?」
「あの時か・・・リズも地味だったよなぁ」
「地味で悪かったわね。あと、五分前行動を心掛けた方がいいと思うわよー」
「あはは・・・ごめん」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ