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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?(第5幕)
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ヘンリー(名前)くらい付けろ」
ヘッポコだけ言われて自分だと思い反応するヘンリー様にも問題があると思います。

「正直、我が王家(うち)はお前ほど音楽に興味が無くて、城にはピアノなんて置いてないなぁ。貴族の誰かを頼れば見つけられるかもしれないけど、進んで譲ってはくれないだろうし、嫌がらせで高値を付けられるのがオチだろうな。民間からは徴用したくないし……」

「使えねぇな、この王様!」
「まぁまぁリュカさん……ヘッポコだし我慢しましょうよ(笑)」
「すみません、父がヘッポコで(笑)」
息子さんは解るが……ウルフさん、貴方は慎んだ方が良いですよ。

「う〜〜〜ん……となると、あのハゲに頼るしかないかぁ。嫌だなぁ……」
「お父さん、あのハゲに頼ると絶対に足下見られて吹っ掛けられるわよ」
「いやいや姉さん。吹っ掛けられる程度なら良いですけど、あのハゲの事ですから恩着せがましい態度になるでしょうね、今後」

一体誰の事を言ってるのだろうか?
お父さんとポピーさんとウルフさんの間では、会話が成立している。
それにしても酷い言われ様だ。

「おい、お前等だけで話を進めるな! 誰だよその“あのハゲ”って人物は?」
「ハゲっつたら一人しか居ねーだろ!」
「いや大勢居るよ!」
「ルドマンだよ! ハゲのルドマン……略してハゲマン」

世界屈指の大商人に対しても酷い言い方だ。
相変わらず誰に対してもブレない態度ね。
ブレないと言えば聞こえは良いが、ただ失礼なだけな気もする。

「嫌だなアイツに頼るの……」
何がそんなに嫌なのだろうか?
国家として普通に取引してるはずなのに。

「お父さん、こういう作戦は如何(どう)? ハゲマン(ルドマン)に最初から高額のピアノを要求するの。しかもヴィンテージが付いてる様な希少価値の高いピアノを金の糸目は付けなから今すぐって事で! 流石のあのハゲも用意できないだろうから『一番良いのじゃなきゃ嫌だし、それ以外のピアノに高い金を出すのはおしい。だから一番安くて一番状態が良いのを今すぐ売れ』って言って出された中古ピアノに『傷がある』とか『調律がなってない』とか難癖を付けて渋々買うの。こうすれば安く借りを作らずに買えるわ」

「姉さん……その提案には大きな欠点がある。あのハゲの事ですから、無理矢理にでも高額のヴィンテージ物のピアノを用意するでしょう。しかもここぞとばかりに安く売ってきたら如何しますか? こちらとしては自ら要求した物を格安で販売してくれるんですから、断る訳にはいかない。『金に糸目は付けない』と言った手前、格安と言ってもそれなりの値段に値引き交渉も出来ず、要りもしないヴィンテージ物のピアノを購入する羽目になり、無理難題を解決したので大きな借りを作ってしまい、一番最悪な状況に
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