第二章
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この時も義母は二人の家に来て好き勝手やっていた、紫に染めた髪の毛を伸ばしていて赤と紫の服にネックレスやブレスレットで飾ったやけに派手な身なりで化粧もけばけばしい。お洒落というか下品な恰好だ。
その彼女が家に来て二人に寿司それも特上を注文させて大吟醸を買わせて飲んで二人が吸わない煙草をふかして好き勝手言っていた。二人特に彼女の息子である夫はあからさまに嫌そうな顔をしていたが全く気付いていなかった。
その彼女がふとだった。
部屋の隅に目をやるとそこに彼女が脱ぎっぱなしにしていた如何にも高そうなだがそれだけで品のないコートの上にだった。
「ゲエエエエエッ」
「ちょっと、何してるの!」
義母は驚いて叫んだ、ゴンがその上に吐いていたのだ。それで思わず叫んでコートに駆け寄り猫をひっぱたこうとしたが。
猫は素早く駆けて何処かに行ってしまった、義母は猫が上に吐いたコートを見ながらそのうえで高かっただのあの猫がだの喚き散らした、だが。
彼女の息子でもある夫は強い声で言った。
「自業自得だよ」
「あんた何言ってるのよ」
「お袋これまでゴンを散々いじめてきただろ」
だからだというのだ。
「それでゴンもお袋のこと嫌ってだよ」
「私のコートの上に吐いたっていうの」
「そうだよ、そもそもお袋ずっと好き勝手ばかりして我儘言ってヒステリー起こして迷惑ばかりかけて生きてきたな」
「私がそうしてきたっていうの」
「そうだよ、うちに来てもそうだしな」
自分の母を怒りに満ちた目で見ながら言うのだった。
「これ以上うちで好き勝手やったら縁切るから」
「じゃあ今度のこともって言うの」
「そうだよ、またゴンをいじめたりしたらな」
その時はというのだ。
「本当に縁切るからな。今日はもう帰ってくれよ」
「このコートはどうしろっていうのよ」
「そんなのお袋でやれよ」
こう言って追い返した、そしてだった。
後日夫は妻に話した。
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