◆外伝・参◆ 〜白蓮、奮闘す?〜
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、お休み下され。し、仕方ないからねねも手伝いますぞ」
「へ? 手伝うって……?」
「で、ですから、政務を手伝って差し上げるのです。ちょっとだけですぞ」
「ほ、本当か?」
思わず、陳宮の手を握ってしまう。
「その前に、まずは疲れを取って下され。ねねも、いきなりでは勝手がわからないのです」
「わかった。……ありがとう、陳宮」
ぷい、とそっぽを向いたまま、陳宮は部屋を出て行った。
ふふ、照れ隠しか。
……でも、本当に有り難い申し出だ。
安心した私に、睡魔が襲ってきた。
そして、一週間が過ぎた。
「うう、やってもやっても終わらん……」
「公孫賛殿、愚痴る暇があったら手を動かしなされ……」
「わかってるってば……はぁ」
どうにか床上げした私だったが、書簡がその間に減っている筈もなく。
結局、地道に仕事をするしかなかった。
陳宮が手伝ってくれたのは大いに助かっているんだが、もともと文官としての資質はあまりないらしい。
軍師ってのは、必ずしも政務にも向いてるって訳じゃないんだな。
そんな事を思っている間にも、新たな書簡が運ばれてきた。
これ、本気で過労死間違いないな、私。
「申し上げます!」
と、そこに伝令の兵が入ってきた。
「何だ? 書簡なら間に合ってるぞ」
「い、いえ……。公孫賛様にお目通りを、と申す者が」
「一体誰だ?」
「は。とにかくお目通りを、と。仕官を望んでいる模様です」
「……何だと? 今、何と言った?」
思わず、私は椅子を蹴って立ち上がる。
「い、いえ。ですから、仕官を望む者が」
「それを早く言え! 陳宮、暫く頼んだぞ!」
「公孫賛殿! それは殺生なのです!」
「仕官だぞ、仕官! おい、丁重に謁見の間にお通ししろ!」
「ぎ、御意!」
四半刻後、私は仕官希望の人物に会っていた。
「お目通り戴きまして、ありがとうございます。自分は姓を程、名を普、字を徳謀と申します」
丁寧な物腰で、歳は私と同じぐらいの女性だった。
鎧を着けているところを見ると、武官志望なんだろう。
……てか、すっごい美人だわ。
同性の私から見ても、羨ましいぐらい。
出ているところは出て、引っ込むところは……反則じゃないか?
「あの、公孫賛様?」
っと、思わず見とれちまった。
……言っておくけど、私は曹操みたいな趣味はないからな?
「あ、ああ、済まない。で、どうして私に仕官するつもりになったんだ?」
「公孫賛様の頑張りに感銘を受けた、という事ではいけませんか?」
「私の頑張り?」
「ええ。実は、私は揚州牧、孫堅様からお誘いを戴いている身なのです」
孫堅、か。
面識はないけど、勇猛果敢な人物だって事は知っている。
配下にも、結構優秀な人材
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