◆外伝・参◆ 〜白蓮、奮闘す?〜
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いといけない訳で、一つの事案を片付けるだけでも結構な時間を取られてしまう。
そこまでこなせる人材がいないしわ寄せが、全部私のところに来てしまっているんだな。
「……無論、急ぎだよな?」
「はい」
文官頭が、とても無慈悲に見えてしまう。
けど、私が仕事をしないと、こいつらもまた困るという悪循環だけに、何も言えない。
「……わかった。すぐに取り掛かる」
ゆっくり休む暇もないけど、仕方ないものな。
……とと、少し眩暈がする。
いかんいかん、この程度でへばっていてどうする、私。
執務に取り掛かって半刻程過ぎただろうか。
書簡の山は殆ど減っていない。
というか、何かフラフラして、ちっとも集中できない。
「公孫賛殿!」
ん?
陳宮の声がしたような……幻覚か、これ。
「こ、公孫賛殿! どうなされたのです!」
「あ、あはははは……。何か、目の前がぐるんぐるん回ってるんだよ」
……あ、何かだんだん、意識が……。
「公孫賛殿? 公孫賛殿!」
だんだん、陳宮の声が遠くなっていく気がした。
……あれ?
額がやけに冷たい。
って言うか、何で天井が見えるんだ?
「おおー、気がつきましたな」
「……陳宮?」
「そうですぞ。ご気分は如何ですか?」
気分……?
そう言われて、だんだんと記憶が蘇ってくる。
「……あ。いけね、政務の途中じゃないか!」
慌てて起き上がろうとしたけど、身体に力が入らない。
「寝てなくては駄目なのです。医師も、暫くは安静が必要だと言っていましたぞ」
「医師……? って私、倒れたのか?」
陳宮は、呆れた顔で私を見る。
「見ての通りですぞ。過労で倒れるとは、いくら何でも働き過ぎなのです」
「……仕方ないだろ。私のところには、御覧の通り人材がいないのさ」
「しかしですな。公孫賛殿は州牧、今のままでは好ましくありませんぞ」
「私だって、わかってるさ。……けど、どうしようもないじゃないか。募集したところでこんな僻地まで来る物好きは少ない、かと言って人の集まる場所まで出かけられる程、私も暇じゃない」
「むう、ではどうするのです? またいずれ、倒れてしまうのです」
「……だよなぁ。人材は欲しいさ、けどその為の時間が取れない、人がいない」
本当、我ながら苦労性だと思う。
私なんかよりもずっと優秀な曹操や孫堅、董卓達には優秀な将や軍師がいる。
……歳三のところは、もう反則としか言いようがないし。
そりゃ、あの連中からすりゃ、私は凡人、普通もいいところさ。
けど、庶人の暮らしを守り、異民族の侵入を防ぎ、盗賊を討つ。
州牧として、当然の義務は果たしたい。
その為になら、寝てなんていられないってのに……はぁ。
「……公孫賛殿。とにかく
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