◆外伝・参◆ 〜白蓮、奮闘す?〜
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
では公孫賛殿には、葦毛の騎馬隊指揮をお願いしますぞ」
「任せておけ。……で、具体的にはどうすりゃいいんだ?」
一刻半後。
勝負は決していた。
こんなに淡々と語れるのは当然、我が軍の勝利で終わったから。
陳宮の策とは、葦毛ばかりを集めた騎馬隊と歩兵隊で軽く一当て。
当然、賊軍には馬が目につく。
数の上では劣勢だから、頃合いを見て兵を退かせる。
勢いに乗った賊軍をそのまま引き付け、伏兵のいる場所まで誘い込む。
で、伏兵に怯んだところに呂布率いる精鋭が突っ込み、切り崩す……って寸法だった。
策自体は的中し、賊は大混乱に陥った。後は呂布の鬼神の如き働きで、数多くの賊が屍と化していくばかり。
私も兵を率いて乱戦に加わり、それなりに敵を倒した……と思う。
まぁ、呂布が暴れてくれたお陰で、賊が完全に浮き足立っていたのはあるけど。
結局、賊軍は大将以下、四割程が死傷した時点で降伏して、戦は終わった。
「おおー、大勝利ですな」
「……こいつら、弱い。弱いけど、悪い奴。死んで、当然」
はしゃぐ陳宮と、淡々と話す呂布。
二人はそれでいい。
……けど、私はそうはいかない。
「負傷者の手当ては済んだか?」
「いえ、まだかかります!」
「急がせろ。降伏した連中の武装解除はどうなった!」
「はいっ! 只今確認を!」
戦の後始末、これも実に厄介だ。
とにかく、やる事が多く、しかも全てを迅速に終わらせる必要がある。
「なあ、お前達。何か手伝って……」
「……お腹空いた」
「おおー、それはいけませんなぁ。すぐに用意させますぞ!」
……どうやら、そんなつもりはないらしいな。
仕方ない、いつも通り私一人でやるしかないな。
客分である連中に、あれこれと命令する訳にもいかないしなぁ。
……なかなか世の中、ままならないな、全く。
ともあれ、諸々の事を片付けて、北平に戻れたのが、出撃して十日後。
あまりにもあっけなく決着がついた上、あの呂布が来たという噂が広まった結果。
大小の盗賊共が慌てて逃げ出したり、自主的に投降してきたりと、思わぬ余波があったらしい。
らしい、ってのは、戻ってからそんな報告を受けたからなんだが。
……当然、盗賊がいなくなるのは喜ばしい事なんだが。
その分、私のやるべき事もまた増える訳で。
「……これ、全部か?」
「はっ」
執務室に入った私を、落款待ちになっている書簡の山が待ち構えていた。
十日分の元々の書簡と併せてだが、これを片付ければ終わりじゃない。
その間にも、新たな書簡はやって来る。
せめて、落款をすればいいだけの状態になっているのならともかく、文官が起案して清書しただけの状態が大半。
……つまり、その分も私がやらな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ