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水の国の王は転生者
第六十六話 ヒューロー湖畔の戦い・中編
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った。

 戦場に静寂が訪れ、原住民達が、軍用車両の周りに集まってきた。

「アンタ達、凄かったよ」

「俺達はアワサを助けに行くぜ。あんた等はどうする?」

「助けに行くよ。我々だけでは、肝心のウェンディゴがどういう姿形(すがたかたち)か分からないからな」

 その後、デヴィットと原住民達が協議した結果、沢に落ちたアワサを救出しよう、いう事になった。

 アニエス達は、周囲を警戒しながら沢を降りていると

「お〜い」

 と、声が聞こえた。

「アワサの声だ。無事だったの……か?」

 デヴィットら一行は、思わず息を飲んだ。
 アニエスたちに向かって手を振るアワサの後ろには、一緒に落ちたダボダドが地面に胡坐をかいて座っていたからだ。

「おい、後ろのそいつは大丈夫なのか?」

「ああ、彼? なんだか『頭がスッキリした』って。大丈夫みたいよ」

『そういう訳だ』

 10メイルの巨大熊が鼻息荒く、林檎といったフルーツをモシャモシャ食べていた。

「何でそんな物食ってるんだ?」

『ここ数百年、肉しか食ってなかったから、フルーティな物が食べたかったんだ』

「数百年間、ウェンディゴに取り憑かれ続けていたのか?」

『名前は知らんが、そうか……アレはウェンディゴというのか……そうかそうか』

 数百年も取り憑かれ、好き勝手にされたのだ。流石に怒ったらしい。

『ヤツの臭いなら分かる。案内しよう』

「渡りに船だな。案内して貰おう」

「ウェンディゴを倒せば私達の戦いも終わるわ」

「頑張ろうアワサ」

「頼りにしているわよ。アニエス」

 こうして、一行はウェンディゴの居る場所に案内して貰う事になった。

 最終決戦は近づきつつあった。

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