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あの日の約束
序章の序章
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くれることやら。
 
  …
 
「失礼します」
 
 赤城を筆頭に、先程資料で確認した艦娘全員が集まってくれたことには流石に驚いた。
 
「急に集まってもらって悪いな。今か…」
「用があるのなら早くしてもらえるかしら?こちらも暇じゃないので」
 
 カッチーンときたね。
 俺の言葉を遮っておいてよく言うよこのクール気取りの一航戦は…。
 ともあれ俺も大人だ。
 いちいちこんな些細な事で言い合うつもりもない。
 
「すまんすまん、1人ずつ自己紹介してほしくてな。左側から順に頼むよ」
 
「金剛デース…」
 
「榛名です」
 
 おお、俺はこんなにも冷めた表情をした金剛と榛名を見るのは初めてだ。
 金剛、榛名は提督LOVE勢だなんて吹聴したバカはどこのどいつだ全く。
 
「翔鶴です」
 
「瑞鶴よ」
 
「ども、恐縮です青葉です」
 
「僕は時雨」
 
「私、荒潮です」
 
「鳳翔です」
 
 スムーズに鳳翔まで自己紹介が終わったところで、加賀が流れを切った。
 
「あの〜…加賀さん?」
 
「何?」
 
「自己紹介を…」
 
「必要ないわ」
 
「……まあそうだね。君には着任早々手厚く歓迎してもらったからな…。
 よろしく、加賀さん」
 
「気安く呼ばないで」
 
 彼女が心を開いてくれる気がしません。
 
「赤城です」
 
 以上、10名か。
 
 実際こうして1人ずつ顔を合わせて改めて分かったことは、皆程度の違いはあれど俺を通して提督というものに嫌悪を感じていることだな。
 
「えーっと、至らぬところも多いと思うが、精一杯やっていくつもりだ。これからよろしく」
 
「………」
 
 静寂。圧倒的静寂。
 
 何か言いたそうな瑞鶴がキッと俺を強く睨みつけ、静かに執務室を出て行った。
 それに続いて翔鶴、荒潮と次々に執務室を後にする。
 俺、本当にここでやってけるのか心配です。
 

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