病院再び
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「そりゃどうも。それより、どうしてチー君が外にいたんだ?」
ハルトはチー君を見ながら訪ねる。チー君は他の子供たちと混じっており、顔を見なければ判別できなかった。
クトリはあきれたように、
「チー君、よく外に飛び出しちゃうんだよね。好奇心が強いから。ほら、この前病院の外に出て行ったのも、好奇心」
「へえ……大変だなあ」
「子供だからね。お姉さんの私が何とかしなくちゃいけないんだけど」
「あ……もしかして、クトリちゃんがこの中で年長者なの?」
「そう! 私がお姉ちゃんなんだよ」
クトリが胸を張った。「おお〜」と拍手を送ると、クトリは嬉しそうに口角を上げた。
「あ、そうだ。子供たちにマジックとか見せてあげる約束だっけ」
「そうそう! 早く見せてあげて……ハッ」
クトリは口を押える。
「べ、別に私が見たいわけじゃないからね! あくまで、子供たちに楽しんでもらいたいからだから!」
言葉ではそう言っているが、見たい見たいと顔に書いてある。ハルトの心に、意地悪心が芽生えてあ。
「あ……はいはい。そうだね。年長者がマジックなんて子供だまし、見たがらないもんね」
「そ、そうそう。あくまで、子供たちのためだからね」
「じゃあ、クトリちゃんは別に見なくてもいいよね。じゃあ、見つからないところでやったほうがいいかな」
起き上がり、子供たちのところへ行こうとするハルト。するとクトリは、ハルトの肩を必死でつかむ。
「待って! あくまで……」
口ごもるクトリは、少し顔を赤くしながら主張した。
「あくまで子供たちのため! 子供たちの教育に悪くないものかどうかを確認するため! だから! 私も! 確認のために見せて!」
「ほう……つまり、俺は子供たちに教育に悪いものを見せる可能性があるザマスね」
「ち……ちが……」
タジタジになるクトリを見て、ハルトはケラケラと笑った。
「冗談冗談。わかってるよ。見たいんでしょ? ほら、じゃあよくある『マジシャンが来てくれました』って奴やって」
「だから私は別に……」
頬を膨らませるクトリへ、その時残酷な言葉が天井より降り注いだ。
『業務連絡。クトリ・ノタ・セニオリス。ヘルプが入りました。今すぐに第十五治療室に来てください』
「……ああああああ……」
また絶望した顔。だがハルトは救うわけでもなく、現れた病院スタッフに引きずられていくクトリを手を振って見送った。
彼女の姿が見えなくなったのと入れ替わりに、今度はチー君を先導に子供たちが集まってきた。
「ねえ! お兄ちゃん!」
「マジック見せて!」
「手品やって!」
口々に訴える子供たち。クトリには悪いけど、先にこの子たちの欲求を満たすことにしよ
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