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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第3話 ゼウスの海に彷徨う大地
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か?」
「うん?貴様ら知らなかったのか?」
有賀がそう言って見回すと、真田と森以外は「まったく」と首を振る。
「私ハ『あならいざー』ト申シマス」
正式名称『ロ-9型自律式艦載分析ユニット』、自称アナライザーはそう名乗りながら、艦橋出入口の方へ向かう。それに対して有賀が声をかける。
「おいアナ公、下手打つとまずいからな、手早く頼むぞ」
「ゴ心配ナク、私ハ天才…ッテあな公?」
「アナライザーだと長いだろうが」
有賀がそう言うと、アナライザーはかなり不満げにブツクサとしばらく文句を言っていたが、森から「いいじゃない」とたしなめられると、即座に機嫌を直す。そしてアナライザーを先頭に、古代と森が退室していく。
『植物採集なんて、小学生みたいなんだなぁ』
『ぶつくさ言うな』
10分後、船外作業が開始され、後部甲板から古代の陣頭指揮のもと、甲板部員がロープを使ってスルスルと降りていく。
「ちぇっ、呑気なこと言っちゃって」
同じく第一艦橋で配置に付いている太田や相原が、スピーカーから聞こえる甲板部員の愚痴に軽く舌打ちする。その最中、アナライザーが報告を上げてくる。
『気温、大気圧トモニ木星表面トハ著シク異ナル。大気成分、メタン67%、窒素6%、二酸化炭素21%。大気中ニあせとあるでひと、及ビえたのーるヲ検出』
どうやらこの浮遊大陸は、外見上は地球の自然環境に近いようだが、宇宙服なしで活動できる環境ではない模様である。
「アルコールかぁ…」
「何だ相原、貴様はいける口か?」
相原の呟きに、有賀は意外な様子で目を丸くする。
相原は第一艦橋要員の中では最年長の22歳だが、細面かつ華奢な体つきをしているため、どちらかといえば繊細な印象があって酒飲みのイメージが今いち沸かない。
「えぇ、昔は故郷でよく飲まされてましたから」
「確か岩手、だったか?」
「はい」
「成程、岩手の酒は甘いからな」
そんなことを笑い合ってから太田にも話を振ろうとしたのだが、見ると太田の顔色が何やら悪い。
「太田、どうした?」
「いえ、自分は下戸で…というか、なんだか気分が…」
そこまで言ったところで、限界なのか口元を押さえてゲーゲー言い出した。
近づいてみると、胃袋が暴走しそうなのかグーグーと音を立てて、今にも反吐が出そうである。
「おい太田、大丈夫か?おい誰か、気象長を医務室に――」
『あーっ、医務室より艦橋』
有賀が太田を医務室まで連れて行くように言おうとしたその時、ちょうどそのタイミングで、艦内無線から佐渡の声が響く。
「艦長だ、どうした?」
『おー艦長、さっきから体調不良を訴えとるモンが
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