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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第3話 ゼウスの海に彷徨う大地
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取り掛かり、いつでも出発できる様に整えよ」

 沖田が「天城」に対して指示を出す中、太田が素の口調で呟く。

「しかし、何やここは?」

 見れば見る程、今自分達の立っている下が大陸であるという認識が濃くなる。
 大陸上の山々には樹木が繁茂し、湖や河まである。遊星爆弾が降る前の地球に似た環境が木星の大気内にある事など、本来有り得ない事なのだが。

「実に興味深い環境だと言えるね」

「そない冷静に…」

「いや、かなり驚いているよ」

 真田はそう言いながら、有賀に顔を向ける。

「艦長、この大陸のサンプル採取と分析を行ってはどうでしょうか?」

「う〜む…」

 真田からの意見具申に、有賀は少しばかり悩む。
 無論、真田副長は単なる興味本位でこんなことを言っているわけではない。太陽系七不思議の一つとして好奇心を刺激されるだけのモノならば良いが、これがもしも人為的なモノであったとしたら、それこそドッキリでは済まないのだ。
 何故ならば、今この太陽系で人為というものは地球かガミラスのどちらかだけ。木星に大陸規模の陸地を開発する技術は愚かその発想すらない地球でないとするならば…答えは明白である。

「提督、ここが何であれ、どの道4時間はここに留まらなければなりません。ならば、時間を有効的に活用するためにも今自分達のいるこの大陸がどうなっているのかを調べることは必要と思慮します」

 虎穴に入らずんば虎子を得ず。ここが何であろうと留まらなければならない以上は情報を収集する必要がある。
 自然発生ならばそれで何事もなし。仮にガミラスのものであるならばそれはそれで手を打たなければならない。

「分かった。有賀、この艦の人員で調査員を編成し、この浮遊大陸を調査せよ」

 宇宙を戦場とする軍人らしく宇宙物理学の博士号を持っている沖田は、真田と同じく、この大陸の異質さを感じている様だった。

「了解しました。古代、船体確認を兼ねた船外調査班の編成を頼む。真田副長も同時に調査部隊の編成を」

 調査と分析行動が決定したところで、有賀は真田に調査分析を、古代に船外作業班編成を命じる。
 船外作業班の人選は古代が直轄する戦術科及び甲板部から人員を出すため、戦術長に一任。万一の事態に備え、各人武装の上、集団にて行動、行動範囲を艦周囲のみとし即時に帰艦できるようにする。

「AU09、出番よ」

森が艦橋の一部に向かってそう言った直後、藍色がベースの艦橋において、赤色の塗装で目立っていた機械が艦橋から分離し、電子音声を発した。

「番号ナンカデ呼ブナ、私ハ自由ナゆにっとダ」

 ピコピコと特有の電子音を放ちつつ、席を離れたその機械に、艦橋要員がびっくり仰天する。
 
「こいつ、自立型だったの
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