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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第3話 ゼウスの海に彷徨う大地
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提督、「天城」と通信繋がりました。「天城」も無事ワープに成功し―」

 相原が報告を述べていたその時、突如、激震が「大和」艦橋を揺らす。直後、外に目を向けた島が、大声を上げた。

「な…ここは、木星じゃないか!?」

 島の言葉に、有賀達も艦橋窓の方に目を向け、目前に見えたそれに思わず固まった。
 古代達の目前に見えたのは、当初予定していた天王星ではなく、火星から小惑星を挟んで直ぐ隣の軌道に位置する太陽系最大級の惑星、木星だった。
 木星は主に太陽系外から飛来してくる隕石や彗星の多くを強力な重力で吸い込む『掃除屋』であり、地球に降る隕石の数を減らしている存在なのだが、このまま重力圏に囚われてしまえば、「大和」に「天城」も同様の運命を辿る事になる。

「うろたえるな。艦長、機関室はどうか?」

「機関室、状況知らせ」

『こちら機関室、メインエンジン不調!ワープの影響によるものか不明ですが、補助エンジンに切り替えます!』

 機関室に詰めていた徳川から報告が上がり、有賀は木星の特徴的な横じま模様の雲を見つめながら指示を出す。

「安定翼を展開し、艦の姿勢を維持しながら一時降下せよ。滑空の要領で木星の大気に乗り、メインエンジンが修理されるまで高度維持に努めるんだ。その間は補助エンジンでも十分に浮ける…提督、「天城」にも指示を!」

「うむ…全艦、大気圏に降下し、高度維持に務めよ!」

「了解!」

 2隻は推進機を補助ロケットエンジンに切り替え、金剛型のメインエンジンよりも2倍も大きなノズルから核融合プラズマジェットの炎を噴き出しながら木星の分厚いガスの雲へ降りていく。

「艦長、レーダーに反応!11時の方向、65000km!船ではありません、大き過ぎます!」

 直後、艦橋天井のメインスクリーンパネルに前方の映像が投影されるが、木星の濃密なガスや雲に覆われていてまったく解らない。

「赤外線映像に切り替えろ。」

 沖田の指示に従い、光学撮影映像から赤外線撮影映像へ切り替わり、パネルにその巨大な物体の形を鮮明に映し出した。

「な…!?」

「これは…陸地、なのか?」

 目前に広がっている『それ』に、一同は唖然となる。今、彼らの視界に入っているのは船でもなければ衛星でもない、紛れもなく島…否、大陸であった。

「この浮遊物体は、北リベリオン大陸と同程度の仮想ジオイド面積を有しています」

「文字通り、『浮遊する大陸』か…ならばここに軟着陸して、そこで修理を行おう。それならば補助エンジンの負担も軽くて済む。有賀艦長、杉田艦長!」

「了解。島、周囲に岩塊が多数浮かんでいる。それらを回避しつつ目前の浮遊大陸に乗り上げさせろ」

 沖田の決定に従い、有賀はてきぱきと指示を出
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