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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第3話 ゼウスの海に彷徨う大地
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かし、『ワープ航法』を実現させました」

 映像が切り替わり、ワープ航法の概念図が映される中、新見は説明を続ける。

「ワープ航法とは、扶桑語で『空間跳躍航法』とも呼ばれる空間航行技術で、空間をも捻じ曲げる事も可能とする次元波動エネルギーの特性と、それの生み出す物理的に光の速度を超える大推力を活かし、真空中のエネルギーを汲み上げる際に生じる余剰次元を解放し、時空を歪曲化してワームホールを形成。ワームホールを瞬時に通過する事によって実質的に光速を超え、時間を巻き戻しながら移動するというものです。そのため理論上は光の速度でも1年かかる距離を僅か1分で進む事が出来ます」

「だが、ワームホールへの突入時には出発地点と到着地点、そしてホール内の次元を同調させる必要がある。もしタイミングを間違えた場合、次元そのものを相転移させかねない。宇宙空間そのものを崩壊させかねない危険性もある事を留意しながら操艦に当たってほしい」

 真田が注意事項を口に出し、島が冷や汗を垂らした直後、映像が切り替わる。今度は「天城」艦内の装備に関する映像が映し出された。

「また、「天城」には波動エンジンの莫大なエネルギーを応用した兵器が搭載されています。次元波動爆縮放射機、便宜上『波動砲』と呼称しているこの兵器は、炉内で解放された余剰次元を艦首砲口から射線上に展開。艦首圧力薬室内で生じた超重力で形成されたマイクロブラックホールが瞬時にホーキング輻射を放って、域内の物質を蒸発させる…いわば、艦そのものを巨大な大砲にする、といった具合ね」

 会議参加者の半分が専門用語の羅列に首を傾げる中、沖田は一同に向けて言った。

「ワープテストは火星軌道を過ぎた重力非干渉宙域にて行う。実施予定時刻は0130、万が一に備え、全員船外着を着用する事。以上だ」

 会議が終わり、一同は各部署へ戻りに向かう。古代は艦橋へ戻る前に地球の姿を肉眼で見ておこうと思い、司令官室の後方に位置する展望台へと向かう。すると途中で美里と出会った。

「おや、古代。君も地球を見に来たのかい?」

「はい、もしかしたら地球を見る事が出来るのがこれで最後になるかもしれないので…」

「そう…どうやら先客がいるみたいだね」

 美里の言う通り、すでに1人の女性乗組員がおり、彼女はただ静かに窓の外を見つめていた。その視線の先には、火星があった。

「やあ、(あきら)。加藤から聞いたよ、髪を切ったそうだね」

「あ、美里さん…」

 美里に声をかけられた女性は、直ぐに彼女の方に振り向き、同時に戦術科員もいる事に気付いて敬礼する。

「失礼しました、主計科所属の山本玲と申します」

「戦術長の古代だ。以後よろしく」

 玲に敬礼を返した古代は、彼女を見てある事に気付く
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