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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第3話 ゼウスの海に彷徨う大地
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西暦2199年2月10日 月軌道

 惑星間弾道ミサイルの迎撃を行っていた地球艦隊は、どうにか再結集しつつ、「大和」と「天城」を見送っていた。

「「大和」、「天城」、火星軌道に向けて進み始めました」

「発光信号を送れ。『健闘と航海の無事を祈る』とな」

 土方が通信長にそう指示を出した直後、突如、後方から怒鳴り声が聞こえてきた。

「この艦隊の指揮官にお会いしたい!」

「…何か?」

 山南が代わりに問いかけながら振り返ると、そこには1人の重装甲空間服を身に纏う、1人の男性軍人がいた。彼は月面の守備隊基地に取り残されていた、宇宙空間での白兵戦や惑星上陸戦を専門とする空間騎兵団の1人で、艦隊到着直前に死亡した連隊長に代わって部隊の最高指揮官となっていた。

「何故!何故…我が部隊の救援要請に対して、直ぐに応じてくれなかったのか!あと5分…あと5分早ければ、隊長も命が助かったかもしれないのに…!」

 空間騎兵連隊の代表者がそう怒鳴りながら大量のドッグタグを突き付ける中、土方は正面を見つめながら口を開く。

「…ガミラスに勝利し、故郷に再び青い姿を取り戻す。我々はその任務に就く、特務艦隊を護衛するために展開している」

「…じゃあ、俺達はその『ついで』だと言うのですか!?」

「…そうだ」

 土方がただそれだけ答えた直後、男は土方の言っていた特務艦隊が何なのか察する。

「…さっき、監視所から見えた、あの奇妙な艦ですか。何ですか、あれは!?」

「…「大和」と「天城」、俺の親友達が命を賭して率いる、地球最後の希望だ」

 土方がそう答えた直後、通信長が報告してきた。

「土方提督、「大和」より返答。『有難う、我、必ずや期待に応えんとす』」

 「大和」から返答を受け取った12隻の艦艇は、月面基地から救助した空間騎兵団の生き残りを乗せて、一路地球へ帰途についた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2時間後 「大和」会議室

 地球を経ってから2時間経ち、「大和」会議室では、「天城」の乗員が量子通信によって立体映像となって参加する中、会議が開始された。

「諸君も知っての通りだが、往復33万6千光年の旅は地球人類にとって体験した事の無い航海日程だ。この距離を1年以内に達成するためには従来の航行方法では不可能だ。そこで我らはイスカンダルより供与された技術を最大限使い、期間を短縮する事となる」

 床面に投影された宙形図の映像を見つつ、沖田が説明する。すると今度は、情報の管理と真田の補佐を仕事とする新見が口を開く。

「今回、この「大和」と「天城」に搭載された次元波動エンジンは、真空から無限のエネルギーを汲み上げて利用するエンジンです。そしてその特性を活
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