九重寺での鍛錬
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それが、第一高校の制服かい?」
「はい、昨日が入学式でした」
「そうか・・・そうか・・・うん、良いね」
「今日は入学の報告をと存知まして・・・先生?」
「真新しい制服が初々しくて・・・清楚の中にも色気があって・・・」
「せ、先生?」
「まさにほころばんとする花の蕾」
深雪は少々怖がりたじろぐ。
「そうこれは萌えだ! これは萌えだよ深雪くん!!」
いい年こいて、何をしているんだよ。
深雪。嫌な予感がするからといって、俺の背中に隠れるな。
あと、達也。もう少しだけ殺気を殺しな。
「むっ!?」
八雲さんは身体を反転させ、腰を落として、左腕をかざした。
バシッと鈍い音を立てて、手刀が腕で防がれている。
「師匠、深雪が怯えていますので、少し落ち着いてもらえませんか?」
「やるねえ。達也くん。僕の背中を取るとは!」
そこからは八雲さんと達也のご指導が始まった。
ご指導が終わったあと、朝食をとることにした俺たち。彼がこんなことを漏らす。
「それにしても驚いたよ。古式最強の攻撃力を誇る火野家と古式最強の防御力を誇る氷川家の両名が第一高校に入学することになるとはね」
「古式最強の攻撃力ですか?」
「炎を扱うなら、火野家で学ぶのが僕たちの常識なんだよ」
「そうなのですか、蒼汰くん」
深雪は俺に聞いてくる。
「確かに、愛桜の炎と熱は深海にいるかのように重く、天を焦がし、黄泉一切を灰燼に帰す」
「それって・・・・・・」
「つまり、骨まで残さないというわけだ。逆に俺たち氷川家は水と氷のエキスパート。俺は氷だが、姉さんは水を扱いこなす。今まで、傷一つも負っていない。全てを浄化し、洗い流す。それが姉さんの強さ」
「玲奈さんがそんなに凄いとは・・・・・・」
「しかも、氷川家の現当主、零士さんは最高位の古式魔法師。その血を引いている蒼汰くんと玲奈くんは若き日の彼を彷彿とさせる」
「まだまだ、父さんには及びませんよ」
「いや、現代のCADや術具を使わずに水を使役するだけでも凄いと思うよ」
それって凄いことなのか。
俺から見れば、普通なんだが――。
「深雪。そんなに凄いのか?」
「凄いですよ。蒼汰くんや玲奈さんがCADを使わずに魔法を行使できる。1度でもいいからやってみたいものです」
「確かに、俺も蒼汰や玲奈さんが普段から息をするように魔法を使えることに嫉妬したことがあるよ」
「そういうものなのか」
2人に言われると、俺って結構変わっているようだな。
「俺って、機械に疎いと思われている?」
「俺と深雪はそうでなくても、周りからはそう思われているかもな」
「なんかショック」
雑談をした。
その後、学校に登校する準備をするため、俺たちは自宅に帰ることにした。
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