赤と青の敵意
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「霧が……晴れていく……」
可奈美の声が聞こえた。写シを張れるほどに回復した彼女は、戻った青空を見上げている。
「大丈夫? ハルトさん」
「ああ……」
可奈美の手が肩に置かれた。彼女は数回叩いて、起き上がる青いサーヴァントに目を向けた。
「ヴヴヴ……」
青いサーヴァントはハルトと可奈美から視線を反らさずに起き上がる。
「____、_____、!」
青いサーヴァントはは、慟哭するように息を吐いている。
やがて、その体より、蒸気が吹き出る。たまったガスを噴き出すように、青いサーヴァントから力が抜けていく。
「……」
黙ってそれを見守るハルトと可奈美。
そして。
「うおりゃあああああああああああ!」
横から飛んできた大音声。
青いサーヴァントが飛び退き、そこに桃色の勇者の拳が炸裂した。
「大丈夫? 可奈美ちゃん! ハルトさん!」
「友奈ちゃん!」
勇者服の友奈。彼女は、そのまま青いサーヴァントを警戒している。
「……」
友奈の姿を見て、青いサーヴァントを凝視している。
「……どうして動きを止めた?」
ハルトが思わずそう呟いた。
先ほどまでの荒々しい動きをしていた者とは同一人物とは思えないほど、静かに佇む。
「……?」
可奈美も同じように、千鳥を向けているものの、青いサーヴァントの動きを警戒していた。
そして、青いサーヴァントは。
飛び去った。
「……え?」
姿が、みるみるうちに遠ざかっていく。
敵がいなくなったことに、そこはかとなく安心感が去来した。
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