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Fate/WizarDragonknight
赤と青の敵意
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塞がり、青いサーヴァントの攻撃を抑える。

「このっ!」

 ウィザードと青いサーヴァントは、互いに同時に刃を突き立てる。ウィザードの火花と青いサーヴァントの黒い体液が同時に飛ぶ。
 そして、同時にフェニックスが炎の斬撃を横に過ぎる。ウィザードはそれを受け止め、青いサーヴァントはそれを避ける。

「まだだ! うおおおおおおおおおおおお!」

 フェニックスは更に全身から発熱する。燃え盛る炎が蒸気を吹き飛ばし、さらなる破壊を振り撒く。

「まずい!」

 ダメージで立ち上がり途中の可奈美は、まだ復帰していない。彼女の前で、指輪を使用する。

『ディフェンド プリーズ』

 青い魔法陣。ウィザードを守るように現れたそれは、さらに滝のような水をその前に作り出す。滝によって蒸気へとなる炎たちは、さらに色濃い煙となって立ち込める。

「がっ!」

 一方、青いサーヴァントはその炎を受けて吹き飛ばされていた。瓦礫で「グググ……」と呻いているが、炎によるダメージで動けないようだった。
 つまり、フェニックスが攻撃の矛を向けるのは、ウィザード一人になっていた。

「終わりだ! 魔法使い!」

 紅蓮の刃が、ウィザードに迫る。背後の可奈美が千鳥を手にしているものの、まだ写シを張れない。

「これで、決まってくれ!」
『チョーイイネ ブリザード サイコー』

 発動した魔法は、水のウィザード最強技である氷の魔法。冷気を発する魔法陣を右に出現させる。
 青い魔法陣に手を入れながら、ウィザードは大剣を左手でガード。

「くっ……!」
「そのまま燃え尽きろ!」

 フェニックスが笑う。
だが、その焼けるような痛みと重さの中で、ウィザードは右手の魔法陣をフェニックスの腹に押し付けた。

「凍り付け!」

発生した冷気が、フェニックスの体を徐々に冷凍していく。だが、その体内からの熱が、氷結を免れようと燃え盛る。
やがて、炎と氷の勝負は、氷に軍配が上がった。水色の氷に閉ざされたフェニックスだが、かすかに流れる陽炎から、彼がまだ生きていることが分かった。
時間がない。ウィザードは焼ける左手に鞭を撃ちながら、ウィザーソードガンを拾い上げる。大急ぎでハンドオーサーを開き、サファイアの指輪を読み込ませた。

『ウォーター スラッシュストライク』

 水を纏う、ソードガン。『スイ〜スイ〜スイ〜』という音声とともに、氷が溶解する前にウィザードはフェニックスを打ち砕く。

「魔法使いいいいいいいいいいい!」

 フェニックスの怨み言を上書きする、水と氷の爆発。赤は青く染まり、粉々になって散らばった。

「や、やった……」

 フェニックスの最期を見届けたウィザードは、その場で膝を付く。


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