赤と青の敵意
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
束具から出る、丸で生身の一部のようなもの。
だが、驚いている間に、青いサーヴァントがソードガンを蹴り上げる。
「?」
きりきりと天を舞うウィザーソードガン。その間に、青いサーヴァントがは、ウィザードの右腕に飛び乗り、右腕を捻じり取ろうとする。
「ハルトさん!」
その時、千鳥が青いサーヴァントの背中を斬る。飛んだ黒い液体とともに、ウィザードの拘束は地へ落ちた。
「大丈夫? ハルトさん!」
「ああ、何とか……」
少し痛みが残る右腕を振りながら、ウィザードは乱入者を睨む。
「こいつ、一体何なんだ……?」
「分からない……でも、参加者なら、何とか話し合って聖杯戦争を止めてくれるように説得しないと……」
「難しそうだけどね」
青いサーヴァントに、とても理性などは感じない。まさに獣のように、こちらを見据えている。
「ふざけんじゃねえ!」
すると、激昂したフェニックスの声が飛んできた。そちらを向けば、フェニックスを中心に、炎が竜巻のように上昇していく。
「オレの邪魔をするんじゃねえ!」
竜巻がこちらへ移動してくる。
このままでは被害が広がる。そう判断したウィザードは、左手の指輪を入れ替える。
『ウォーター プリーズ』
頭上の魔法陣に手をかざし、青い魔法陣が体を通過していく。
『スイ〜スイ〜スイ〜』
サファイアを基調とした水のウィザードは、ウィザーソードガンを拾い上げ、ガンモードにする。ハンドオーサーを開き、サファイアを読み込ませる。
『ウォーター シューティングストライク』
それは、水の弾丸。集う青い水たちが、ウィザードの発砲とともに、炎の竜巻と激突。巨大な蒸気となり、視界を潰した。
「まだだ!」
「アアアアアアア!」
立ち込める蒸気の中、フェニックス、青いサーヴァント、そしてウィザードと可奈美が、それぞれの刃を振るう。フェニックスの大剣は重く、青いサーヴァントの刃は体に来ると痛む。
その時、ハルトは視界の端で赤い光を目撃した。見慣れた、赤い光。可奈美の迅位斬の準備だと分かった。
「迅位……」
彼女のその声は、途中で遮られた。
「可奈美ちゃん?」
見れば可奈美は、青いサーヴァントにその腕を掴まれていた。
「しま……っ」
可奈美の動きを封じた青いサーヴァントは、そのまま彼女の腕を捕らえる。全身を駆使し、右腕を股に挟む。
そして。
「ガアアアアアアアア!」
「がぁっ!」
その腕を、千切り飛ばす。
「可奈美ちゃん!」
写シという刀使特有の霊体武装が、煙の外へ飛び、霧散していく。
生身となり、転がった可奈美。彼女の前に立ち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ