赤と青の敵意
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ェニックスの名前に相応しく、その背中には金色の翼が広がっていた。炎を宿した翼をはためかせ、爆風で可奈美を太阿之剣ごと吹き飛ばす。
「可奈美ちゃん!」
転がってきた可奈美を助け起こしながら、ハルトはフェニックスを睨む。
「こいつ……強い! 今までのファントムよりも……」
「ハハハハハハ!」
フェニックスは炎の翼で、天空へ飛翔する。
「壊れろ! 魔法使いども!」
フェニックスが、まさに火の鳥となって、ウィザードたちに迫る。ウィザードはスラッシュストライクで応戦しようとすると、
突如乱入してきた青い影が、フェニックスの上に飛び乗る。
「?」
摂氏数千度はあるであろうフェニックスの体に躊躇いなく触れる青い人影。彼は、まるで獣のような唸り声を上げながら、手刀でフェニックスの翼を千切った。
「ぐああああああああああああああ!」
どれほどの痛みなのだろう。フェニックスは断末魔のような悲鳴とともに、地面に落下。大きな土煙が上がった。
「……今のは?」
「なんか、初めて見たのがいたよ……」
可奈美が冷や汗をかきながら答えた。
「変なの?」
「青い、拘束具みたいなのを付けた人。何だったんだろう?」
その答えは、この煙が晴れたらすぐに分かる。
逃げるように煙から抜けたフェニックスが、大剣を落下地点へ向けている。
「何だ今のは? いきなり何しやがる?」
それに応えるように、乱入者は煙の中でその身を起こした。
ゆらゆらと揺れながら、煙の中で蠢いている。
やがて、煙が晴れた。
「アアアアアア……」
声にもならない、うめき声。
青い肉体を、可奈美が言った通り、無数の銀色の拘束具が覆っている。ボディのあちらこちらには、赤い線が血のように描かれている。唯一、腰につけられている、爬虫類の目のような拘束具だけが赤く、彼のボディでも異彩を放っていた。
顔には、黄色の眼を同じくプロテクターがつけられており、赤い線がまるで涙のようだった。
とても人間には思えない、その外見。獣のように腰をかがめ、襲い掛かるポーズを見て、ウィザードはそれをこう判断した。
「サーヴァント……」
青いサーヴァントは、フェニックス、そしてウィザード、可奈美を見比べる。まるで品定めするように一瞥した後、
「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
吠える。
「来る!」
青いサーヴァントは、そのままウィザードへ挑みかかる。
その手より長く伸びた、剣のようなもので、ウィザードに斬りかかる。
ソードガンで防いだウィザードは、その瞬間、手に残る手ごたえに、違和感を感じた。
「これ……武器じゃないんじゃ……?」
拘
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