第19話 リップシュタット連合の終焉
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ら」
「!! まさか……ローエングラム候は」
ほとんどの者が気づいた。
ラインハルトはヴェスターラント200万人を政治喧伝の為に見殺しにしたと。
「あくまで想像だ。が、私ならガイエスブルク要塞に間者の1人や2人潜り込ませておく。事実、私のところに間者から報告が来たよ。『ブラウンシュバイク公がヴェスターラントへの核攻撃を命じた』とな」
周りから息を飲む音が聞こえる。
「もっとも、ここからでは遠すぎる上に時間もないため動きようがなかったが………」
「これが……ローエングラム候のやり方だというのですか」
「何度も言うが、あくまで私の想像だ。何の確証も無い。が、私自身はラインハルトは完全に黒だと確信している」
部屋に、深い沈黙が訪れた。
* * *
リップシュタット連合軍の貴族たちは最後の戦いに打って出た。
追い詰められ、窮鼠と化した彼らは予想以上にしぶとかったが、6度目の攻勢に出たとき、一気に押し戻された。
攻勢が限界点に達していたのだ。
それを見逃すラインハルトではない――というより、ラインハルトはそれを待っていた。
総攻撃に転じ、圧倒的な火力で貴族連合軍を粉砕する。
その頃、ガイエスブルク要塞では内通者が反乱を扇動し、要塞主砲の制御室を占拠することに成功した。
その報をオーベルシュタインから聞いたラインハルトは強襲揚陸艦を出し、要塞の占拠を命じた。
・・・・・
ガイエスブルク要塞へどうにか辿り着いたブラウンシュバイク公は、誰も居ない広間で一人、誰かを探しまわっていた。
「誰か、誰か居らんのか!」
「閣下」
そこに現れたのは、拘禁されていたアンスバッハ准将だった。
「アンスバッハ御前に」
「おお、アンスバッハ。こんなところに居ったのか。牢にも居らんので逃げたと思ったぞ」
「部下たちが出してくれまして、勝手なことを致しました」
「うん、それはよい、それよりもだ。こうなっては致し方ない、講和の用意をせよ」
「講和と……おっしゃいますか?」
「そうだ、小僧の覇権を認め、ワシを始めとする貴族はやつを全面的に支持する……そうだ、エリザベート! ワシの娘をくれてやろう。さすれば、やつは先帝フリードリヒ4世陛下の義理の孫となり、簒奪の汚名を着ることなく至尊の地位に付ける。これは悪くはあるまい」
「無益です。ローエングラム候は貴族の支持など必要としないでしょう」
「で、ではハプスブルク大公ならどうだ?」
「それも無益です。ハプスブルク大公もフリードリヒ4世陛下の孫。戦前ならまだしも、今となっては閣下の支持など必要としないでしょう」
「では、では奴等はどうあってもこのワシを殺すつもりだと申すのか
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