蒼井晶であきらっきー
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えっと、お兄さん名前は……」
友奈はハルトに歩み寄る。ハルトは頬をかきながら、「松菜ハルトだよ」と名乗った。
「可奈美ちゃんもいるよ。あ、ここに座って」
「うん!」
友奈をカウンター席に案内する。丁度、可奈美の隣に腰かける。
「あ、友奈ちゃん! いらっしゃい!」
「やっほー可奈美ちゃん! 暖かくていいところだね! ……ところで、何かあるの?」
友奈がテーブル席のチノとココアを見ながら尋ねた。いまだにチノは緊張で固まっていたが、友奈の立ち入りに安心したように席へ座り込んでいる。そんな彼女の背中を、ココアが優しくさすっていた。
「うん。今日、モデルの人が撮影に来るんだって」
「撮影? つまり、もしかしたら私たちテレビとかに出ちゃうの? やった!」
無邪気にはしゃいでいる友奈に、ハルトは水を差しだした。
「どうかな? 今、こっちに向かってきてるみたいだけどね。オーナーが打ち合わせしたみたいだけど」
「私は何回か雑誌とかで見たことあるよ。あ、友奈ちゃん、コーヒー? 奢るよ?」
「あ、じゃあココア貰っていい?」
「いいよ。ちょっと待ってて」
可奈美は、そう言って厨房に入る。本業刀使の彼女だが、すっかりラビットハウスの店員が板に着いてきた。
「あれ? もしかして、私いない方がいい?」
可奈美を眺めながら、友奈が尋ねる。
「そんなことないよ。多分お店、お客さんがいた方が見栄えいいだろうし」
「よかった。邪魔になったらどうしようって思ったよ」
友奈がほっと息を吐く。
「それで、モデルってどんな人?」
「ああ、俺も良く知らないんだよね。なんか、雑誌とかに出てる人らしいよ」
「すごいね! もしかして、同世代だったりするのかな?」
「さあ? もうちょっと待ってみれば来るよ」
「こんにちは!」
友奈との会話の中で、新たな声が、ラビットハウスを通り抜ける。
振り向けば、数名の男性が店内に入ってきていた。
それぞれ、カメラやマイクなど、重々しい機材を抱えており、ただの客ではないことが分かった。
彼らを先導するのは、ともに入ってきたラビットハウスマスター、香風タカヒロ。
彼は、固まっているチノではなく、ココアとハルト、そして可奈美を呼んだ。
「彼らは、今回のスタッフたちだ。頼むね」
「「はい!」」
「それと、肝心のモデルだが、こちらの方だ」
スタッフたちの後ろから入ってきたのは、ハルトがこれまで見てきた人のなかでも、とりわけ可愛らしい人物だった。
オレンジの長い髪と、そこに飾られる花のような髪飾り。明るい笑顔と勝気な目線が同居しており、まさに光を放つような人物がそこにいた。
テレビで何度か見たことが
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