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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第52話:通じ合う2人
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石にこの規模となるとコンディションが万全でも苦しいものがあるのか、透の額に大粒の汗が浮かび上がる。
「と、透!?」
「総員退避だ! 急げ!!」
この状態は長くは続かない。そう判断した弦十郎は即座に全員に退避命令を出した。
命令を受けて速やかに館から出ていくスタッフ達。最後の1人が出ていき、残るは弦十郎と透、クリスの3人のみと言うところで、館の暗がりからライドスクレイパーが飛んできた。
まさかの攻撃に目を見開く透。見ると館の奥にはライドスクレイパーを投擲したのだろう琥珀メイジが1人佇んでいた。恐らく、館を爆破しても尚生き延びた者が居たら始末する為に配置されたのだろう。
「させるか!!」
あと一歩と言うところで透に突き刺さりそうだったライドスクレイパーを、弦十郎がギリギリのところでキャッチする。
そこで透の重力魔法が切れた。支えを失い、館の天井が3人に降り注ぐ。
クリスは咄嗟に透に抱き着き彼を衝撃と落下物から守ろうとしたが、何時まで経っても何も降ってこない。違和感を感じて目を開けると、そこでは弦十郎が落下してきた瓦礫を受け止め2人を守っていた。
「大丈夫か?」
「な……何で?」
状況が理解できず呆然と問い掛けるクリス。一方透は、自分に向けてライドスクレイパーを投擲してきた琥珀メイジが再び襲い掛かってくる事を警戒して、魔力消費によって気怠い体に鞭打ち周囲を警戒した。
するとそこへ、何者かに攻撃されたのか琥珀メイジが後ろ向きに飛んできた。3人が何事かとそちらを見ると、そこには全身を黒いローブで包んだアルドが右手に銀色のハーメルケインを構えているのが見えた。
琥珀メイジは直ぐ様体勢を立て直し、アルドと弦十郎達を交互に見ると状況が不利である事を悟り、瓦礫を受け止める為に弦十郎が手放したライドスクレイパーで飛び立ちあっという間に逃げていってしまった。
逃げていく琥珀メイジを見送ったアルドは、肩の力を抜くと銀色のハーメルケインを左手に逆手に持ち替えながら3人に近付いた。
「ご無事ですか?」
「あぁ、こちらは問題ない。衝撃は発勁で掻き消した」
「…………そうですか」
さも当然の様に言う弦十郎に、アルドが何か言い淀んだのを見て取ったクリス。言いたい事は分かる。正直彼女が感じた疑問とかには同意したいところだが、それ以上に気になる事があったのでその事にはそれ以上突っ込む事はしなかった。
「って! そんな事どうだって良い! それよりも、ギアを纏えない奴があたし達を守ってんだよ!? つかそもそも、おっさん誰だ!?」
「ん? あぁそう言えば、前は颯人君の通信機越しに話しただけだったな。改めて初めまして、風鳴 弦十郎だ。雪音 クリスに、北上 透」
どこか聞き覚えの
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