第十一幕その八
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「パーティー会場に食べるものは用意しているから」
「だからだね」
「絨毯は食べたら駄目だね」
「それにそもそも絨毯は食べないね」
マイケルさんは笑ってこうも言いました。
「そうだね」
「そうだね、言われてみれば」
「その通りだね」
「それじゃあだね」
「今は我慢だね」
「そうしようね」
こう二匹に言うのでした。
「今は」
「じゃあね」
「ゼリーの絨毯は食べないよ」
「そうしてくれると嬉しいよ」
「いや、しかしね」
「見事な宮殿だね」
かかしと樵は宮殿の中を見回しています、そして飴で出来たシャングリラも見てそれで言うのでした。
「沢山のお菓子職人の人が造った」
「そうした場所なんだね」
「あらゆるお菓子をふんだんに使って」
「そうして作った宮殿なんだ」
「だからついついだよ」
アームストロングさんがかかしと樵にお話します。
「わしもこの宮殿の中にいると」
「食べたくなるんだね」
「宮殿自体を」
「臆病ライオンさんや腹ペコタイガーさんの気持ちもわかるよ」
その二匹を見ての言葉です。
「本当にね」
「僕達は食べないけれどね」
「食べる人はそう思うね」
「それじゃあね」
「ここにいると誘惑に負けそうになるんだね」
「この宮殿自体が食欲をそそるからね」
それ故にというのです。
「困るよ」
「成程ね」
「そうした場所なんだね」
「そう、しかしパーティーが開かれる場所に入って」
そしてというのです。
「そこで皆で食べよう」
「では僕達は皆のその笑顔を見て」
「そして楽しませてもらうよ」
「ううん、お菓子の色もね」
「色々あるね」
ジャックと木挽きの馬はチョコレートの扉を見ました、見れば黒いチョコレートだけでなくホワイトチョコもあります。
「白や黒にね」
「苺のピンクやお抹茶の緑もあるし」
「カラフルだね」
「配色もいいね」
「そう、色も大事にしないと」
プレスリーさんが言ってきました。
「奇麗じゃないからね」
「お菓子は食べるだけじゃない」
「見ても楽しくものだね」
「それでだね」
「色も考えているんだね」
「そうだよ、僕の服もそうだね」
プレスリーさんはその見事な服を見せます、もう誰もが知っているとてもみらびやかなステージ衣装です。
「この服にしてもだよ」
「見て楽しく」
「そうしたものだね」
「そうしたから」
だからだというのです。
「こうしてね」
「宮殿もだね」
「奇麗にしているんだね」
「そう、見ても楽しく」
その様にというのです。
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