第十一幕その六
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「ライト兄弟は昔私の工場で働いていたんだ」
「そう言う貴方は」
「わかるかな、私が誰か」
「世界でわからない人なんていません」
ジョージも他の四人も言葉を一緒にさせました。
「トーマス=エジソンさんです」
「そう、私がエジソンだよ」
エジソンは笑って答えました。
「アメリカからね」
「今はオズの国におられるんですね」
「そして発明を楽しみ続けているよ」
「そうなんですね」
「いつもね」
こうジョージにお話するのでした。
「そして今は」
「お菓子の国におられて」
「お菓子を食べようと思っているんだ」
「そうなんですね」
「さて、何を食べようかな」
「まずはアイスクリームだよ」
野球のユニフォームを着た分厚い唇にがっしりとした体格の人がここでこうエジソンさんに言ってきました。
「何といっても」
「あっ、ベーブ=ルースさん」
「そうだよ」
その人はジョージに笑顔で応えました。
「僕がベーブ=ルースだよ」
「貴方もお菓子の国に来られているんですね」
「そしてお菓子を楽しんでいるよ」
「今みたいに」
「そうだよ」
ジョージに笑顔で答えます。
「この通りね」
「そうですよね」
「君達のことは聞いているけれど」
それでもとです、ルースさんはジョージに言いました。
「こうした会ったのははじめてだね」
「はい、お会い出来て嬉しいです」
「こちらもだよ、お互いオズの国にいるなら」
それならとです、ルースさんは言うのでした。
「この国を楽しんでいこうね」
「これからずっとですね」
「そうしていこうね」
「わかりました」
「この国には子供達に夢を与えた人も来るんだ」
ルースさんはこうもお話しました。
「それで僕もだよ」
「今この国にいるんですね」
「嬉しいことにね」
「うん、この国にいるとね」
エジソンさんも言ってきます。
「発明も好きなだけ出来るし不可能と思うことでも」
「可能になりますね」
「そうした素晴らしい国なんだよ」
こうジョージにお話するのでした。
「そしてお菓子もね」
「それもですね」
「楽しめるよ」
「そうした国ですね」
「さて、何を食べようか」
エジソンさんは考えるお顔で言いました。
「一体」
「そうした時は目に入ったものを食べればいいのよ」
つぎはぎ娘はトトが言ったことをエジソンさんにお話しました。
「そうすればいいのよ」
「ほう、そうすれば迷わないな」
エジソンさんも言われて頷きました。
「確かに」
「じゃあいいわね」
「そうしようか。ならキャラメルにしよう」
それがエジソンさんの目に入ったものでした。
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