第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第67話 明かされる秘密
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事を覚えてる?」
「あ、はい」
突然その話題を振られて驚く勇美。あの時は自分の夢や、自分が豊姫のように『悪』を背負う事を決める切っ掛けになった有意義なやり取りであった。だが、その話が何故今出てくるのだろうか?
「あの時最後に私が言った事覚えてる?」
そう言われて勇美は、ますます話が分からなくなりそうで混乱しそうになる。しかし、ここで彼女は頭に電流が走るような感覚に陥ったのだ。
「はい、思い出しました。『あの子はもうレイセンじゃない』でしたよね!」
クイズで正解を言い当てたかのように頭の中が済みきった体感の元勇美は言ってのける。
よし、正解を言い当てた。そう思いながら勇美は得意な気持ちとなる。だが、豊姫から吐き出された言葉はこんなものであった。
「正解はCMの後で」
「今答えろぉ! そして『よくできました、よくできました』と機械音声で誉めて下さい!」
「……勇美のその突っ込みもおかしいわよ……」
依姫は、ずれた発想の姉と友達に頭を抱えるしかなかった。どうでもいいけどあの番組、司会者が巨匠からイケメン俳優に変わってから進行がグダグダになったなあと思ったりもした。
閑話休題。脱線をする二人を元のレールに戻そうと、依姫は話を再開する。
「では、話を元に戻しましょうか」
「え、ええ」
「そうですねぇ……」
依姫の有無を言わさぬような雰囲気に、二人は咄嗟に真面目に振る舞うのだった。
「私からも話を元に戻す事をお願いします」
ここで、しばらく置いてきぼりを食っていたレイセン──いや、イシンも提案してくる。
「おほん、それじゃあ話を続けるわね」
そう言って豊姫は気を引き締め直して続け始める。
「話は『もうこの子はレイセンではない』って所まで行ったっけ?」
「はい」
豊姫の再確認に勇美も肯定の意で示す。それをした後、やはり勇美は疑問符が頭に浮かんでしまうのだった。
「それってどういう事でなんですか?」
「うん、やっぱり気になるよね。それじゃあ説明するわね」
勇美の素直な反応に、豊姫は微笑ましくなりながら彼女の疑問に返す。そして豊姫は事の詳細を説明していくのだった。
「まず言うとね、この子にレイセン──今の鈴仙の事ね、それの代わりを務めてもらう事にしたのは、元々月での騒動の間だけって依姫と決めていた訳よ」
そう説明を始めていく豊姫に補足する形で依姫がそこに入っていく。
「今の鈴仙を失って困惑しているだろう玉兎達の所へ励みになるようにと、私はこの子をレイセンだと紹介した、そういう経緯だったという事ね」
「そうだったんですか……」
色々複雑な事情があったのだなと、勇美は覚束ない意識の中でそれを聞いていた。
そして、自分の場合は依姫に見出だされてそのまま関係を持つ事が出来たのを、実にストレート
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