第二章
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「今の日本人にはもうあまりない考えだな」
「怖い存在ですよね」
「むしろ」
「日本人の感覚に合わない様な」
「そんな風だな、勿論酒なんてな」
今飲んでいるこれの話もした。
「堕落とか言ってな」
「粛清というか天罰ですね」
「それを受ける可能性がありますね」
「そうですよね」
「ああ、聖書とか読んでるとな」
どうしてもというのだ。
「そんな風に思えるな」
「そう思うと本当に怖いですね」
「天使って」
「どうも」
部下達もその通りだと頷く、そうしてだった。
北条は部下達と一緒に飲んで満足したところで店の前で解散して自分の家への帰路についた。家に帰れば妻と子供達が待っている。そのことも思いつつ家に帰ってリビングに入ると。
ロングの黒髪に澄み切った黒い瞳、雪の様な白い肌に楚々とした顔立ちの少女がいた。白いブラウスとカーディガン、くるぶしまでのフレアスカートという服装で背は一六二程だ。かなり清らかな感じだ。
その少女を見て北条は彼女と一緒にいる娘の麗奈に尋ねた、麗奈も色白であるが普通の白さだ。黒髪は首の高さで切り揃えていて大きな奇麗な黒目である。眉はやや沢庵に似た形で濃い。背は一五七位だ。地元の高校に通っていて今は二年生である。
その娘に問うた。
「お前のお友達か?」
「そうなの、世界ちゃんっていうの」
「世界さんか」
「はい、東山世界といいます」
少女は微笑んで名乗った。
「北条麗奈さんにはいつもよくしてもらっています」
「今日うちに呼んだの、私が」
麗奈が彼女の身の上のことを話した。
「それで今までお喋りしたり晩ご飯一緒に食べていたの」
「そうなんだな」
「はい、それでこの度お招き頂いて」
そしてとだ、レリザベートも話した。奇麗なソプラノの声でアニメの声優でもそうはいなさそうな声である。
「楽しませてもらっています」
「そうなんだ、しかし」
ここで北条は世界を見てさらに言った。
「物凄く奇麗な人だな」
「そうなの、それでね」
麗奈がまた言ってきた。
「学校でも大人気なのよ」
「それは当然だな」
「この奇麗さで頭もいいし性格も物凄くいいの」
「そうなんだな」
「それで演劇部にも誘われてるの」
「演劇部、そういえば」
ここで北条は自分の仕事を思い出した、そのうえで言った。
「この娘なら」
「お父さんひょっとして」
「ああ、君芸能界に興味あるか?」
北条は酔っていたがそれでもその酔いを置いて世界に問うた。
「日本の」
「芸能界ですか」
「どうかな」
「それは」
「実は私は人間ではないので」
「どういうことだい?」
「実は天使なので」
世界は北条に申し訳なさそうに述べた。
「お義父様に教会で育ててもらっていまして」
「実は世
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