第三章
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「実の娘と言ったが」
「実の娘ということで」
「アフロディーテともな」
つまり自分の妻ともというのだ。
「どうもな」
「確か父上から見てアフロディーテ女神は」
「叔母上でもある」
「それを言うと私達にとってもですが」
「しかしな」
「それでもですね」
「そういえば母上ともな」
ヘパイストスは自分の母であるヘラのことも話した、尚彼はこの母親と最初結構な悶着があり和解した経緯がある。
「両親が同じな」
「兄妹ですし」
「デメテル叔母上ともな」
「ペルセポネー女神をもうけていますが」
「兄妹であるしな」
「兄妹の間柄も」
それはとだ、アテナは話した。
「私達は人にはと言っていますし」
「どうもな」
「父上のそうしたところは」
「困ったことであるな」
「全くですね」
二人でこんなことを話しながら飲んでいた、そしてその頃。
ゼウスはゼウスで飲んでいた、兄弟でありそれぞれの世界を治めている海神ポセイドンそして冥神ハーデスと卓を囲んでだった。
三人で飲んでいた、ここでまずはポセイドンがゼウスに尋ねた。
「お主昨日何処に行っておった」
「昨日か」
「左様、エジプトに行っておったな」
「知っておったか」
「ヘラにはいつも通り言わぬが」
それでもというのだ。
「誰と会っておった」
「うむ、あそこにいる川のニンフとな」
ゼウスは兄弟神に笑って答えた。
「会っておった」
「やはりそうであったか」
「楽しんでおった」
「相変わらずよのう、お主は」
「これはどうにもならぬ」
ゼウスは笑う兄弟神にやはり笑って返した。
「わしもな」
「そうだな」
「もう美女と見ればな」
それこそという口調でだった、ゼウスは飲みつつ話した。
「誰でもじゃ」
「神でも人でもニンフでもじゃな」
「それこそ実の娘でない限りはな」
「よいのう」
「そうだ」
「しかしだ」
今度はハーデスが言ってきた、彼も飲んで赤ら顔になっている。
「お主この前の人間の女は」
「あの王妃か」
「人妻でだ」
ゼウスに笑いながら言うのだった。
「しかもお主から見てな」
「曾孫の曾孫だったか」
「お主の子孫なのは間違いないな」
「そう言うがな」
「美人だったからか」
「ついついな」
ゼウスは好色そのものの顔でもう一人の兄弟神に話した。
「手を出した」
「そして子も為したな」
「そうなったな」
「ヘラクレスの時と同じか」
「そういえばあの者もだったな」
「そうであろう、ペルセウスの血筋だからな」
「わしの子孫だ」
ペルセウスが彼の子であるからだ。
「そうなる」
「その者に手を出したな」
「そうであった」
「しかもまた人妻であったな」
「ははは、美少女も好きだがな」
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