【第1試合】高校野球序編
【1回表】
◆第2球『おい、いいのか?』
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碓氷広嗣
東京都立春延中学3年…
身長174cm 体重68kg 右利き
この度、東京都立千川高校に合格、
「誰に何を説明してるんだ?」
広嗣は眼前でパフェを頬張っている片桐にツッコミを入れる。
片桐耕世
広嗣と同じく東京都立春延中学3年
身長182cm 体重74kg 右利き
この度、東京都立千川高校に合格。
「まぁ、誰にでもいいじゃねえか」
片桐はパフェを平らげると背もたれに体を預ける。
「俺たち受かったんだな」
一呼吸置いた片桐の言葉に広嗣は笑みを浮かべる。
「あぁ、お前の頭で受かれたのは奇跡だけどな」
広嗣はそう返すとメロンジュースを一気に飲み干す。
「これでお前とまた野球ができるな」
片桐はそうしみじみ言うと広嗣の視線の先を目で追う。
そこには2人組の女学生の姿がある。
片桐はそれに気が付き、再び広嗣に視線を戻した。
「さぁ、分からねえぞ。俺の事を受け入れてくれるかどうか」
広嗣はそういうと立ち上がりカフェの出口へと歩いていく。
片桐は慌てて荷物を纏めると叫んだ。
「おい!ちょと待て!支払い残ってるぞ」
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「おい、ヒロ!聞いてるのか?支払…」
片桐はカフェの外に出ると店前で立っている広嗣の背後に向かって叫ぶ。
だが、広嗣の前にいる先程見かけた2人組の女学生に気が付き、口を噤んだ。
「どうだった?」
女学生の片割れであるショートボブの方が広嗣に尋ねる。
「受かったよ。約束通りな」
広嗣の返しに女生徒は安堵したように息を吐く。
「良かったわ。貴方には兄さんの為にも頑張って有名になって貰わないと困るから」
女生徒はそうとだけ広嗣に告げるととなりにいたもう1人の女学生に「行こ」と声をかけ、その場から離れようとする。
その前に片桐が立ち塞がった。
「上原さんさ、そろそろヒロを解放してやってくれないか?」
片桐の言葉に上原と呼ばれた女生徒は片桐を睨みつける。
「まだまだまだまだよ。私は彼を一生許さないんだから」
そう言って上原と呼ばれた女生徒は片桐を避けるようにその場から離れていく。
「おい、いいのか?」
片桐が広嗣に尋ねる。
「あぁ、これは俺に課せられた禊だよ」
広嗣はそう言うと歩き出すと首だけを片桐に向けた。
「ちょっとバット振ってかねーか?」
--------
そんな2人のやりとりをじっと見る女生徒。
「穂波、いくよー?何してんのさ?」
「あ、うん」
上原穂波は広嗣と片桐から目を離すと彼女を呼んだ友人に駆け寄った。
上原穂波
東京
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