四十 孤独の先
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いきや、やはりサソリの部下のままであり。
天地橋で大蛇丸と交戦した際に死亡した左近・鬼童丸がきっかけで、波風ナルは感情を抑えきれなくなり、九尾の力を使って暴走。
さしもの大蛇丸も九尾状態のナルと戦闘し、限界を迎え、何故か【根】のサイを伴ってアジトへ戻ろうとしたのを狙い、ヤマトが木分身を使って追跡。
ついにアジトを突き止めたが、サスケと共に木ノ葉の里を抜けた春野サクラと遭遇し、戦闘。
山中いのの介入で善戦したものの、今度はサスケ本人が現れ、サクラを気絶させたかと思うと、その場から立ち去った。
以上の報告を終え、シカマルは頭をガリガリと掻きむしる。
状況が混乱を極め、真実を見極めるのも困難だ。
とにかく状況整理をする為に、シカマルは綱手に今更ながら問い質した。
「いのを送り出したのは、綱手様の意向ですか?」
「あ〜…まだ本調子ではなかったんだがな。体力が戻ったからナル達を追わせてほしいとああも懇願されちゃあね…」
いのの鬼気迫る様子に、さしもの五代目火影もお手上げだったらしい。
前任務で消耗したチャクラと体力がある程度戻っているのを確認したので、任務への同行を許可したのだと答える綱手に、「そうですか…」とシカマルは頷いた。
想い人であるサスケと、恋敵であり親友のサクラを大蛇丸の許から取り戻す為に動いていたいのが必死で火影に何度も交渉していた光景が目に浮かぶようで、シカマルは静かに眼を眇める。
「でもおかげで、いのの目的のひとつは達成できたっスね」
現在、元抜け忍である故に拘束しているとは言え、春野サクラを木ノ葉の里へ連れ戻す事には成功した。
その功績を達成できたのは、他でもないサスケのおかげだとシカマルから聞いていた綱手は再度、確認する。
「……サスケが、サクラを木ノ葉へ連れ帰させようと動いたのは事実か?」
「…………」
無言の肯定を受け、綱手は椅子に腰深く座り直した。
孤独は辛い────その辛さを知っているが故に、自ら孤独になろうとするサスケの身を案じ、五代目火影は沈痛な面持ちで溜息を吐く。
「……俺から言えるのは、暁メンバーであるカブトがいれば、サスケの暁入りもそう難しくはないだろうということしか…」
自ら孤独の道を進んだサスケの意図を目線だけで把握したシカマルは、酷く疲れ切った顔で推測を語った。
実際は、サスケは既に仮面の男から『暁』の勧誘を受けているのだが、そこまではシカマルとて預かり知らぬところだ。
シカマルの立てた見通しに同意を返すや否や、綱手は手を音もなく掲げた。
シズネや、他の忍びを遠ざけた火影室に近付く気配を感じ取る。
五代目火影に手で制され、シカマルは口を噤んだ。
聊か緊張した面持ちで、火影室に近
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