四十 孤独の先
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せることで、よもやサスケも木ノ葉のスパイだとは気づくことは困難だろう。
サスケはチッ、と舌打ちする。
カブトの存在により自分が木ノ葉のスパイだとバレる可能性は確かに低くなった。
天地橋では本物のサソリが来ていないということは即ち、カブトは現時点でまだサソリの部下として暁に潜り込める。
サソリから大蛇丸へ、そしてサソリへと主人を変えるカブトのことはもっとも信頼していないが、利用しない手はない。
万が一、不穏な動きを見せればたたっ斬ればいい話だ。
「てめぇがサソリの部下であろうが大蛇丸の部下だろうが関係ない。俺の邪魔をすれば殺す。それだけだ」
サスケの殺気混じりの言葉に、カブトは肩を竦めてみせる。
相変わらず、何を考えているのかわからないカブトへの警戒を決して緩めずに、サスケはシカマルを最後に一瞥した。
サスケの視線を受け取って、シカマルは微かに頷く。
自分が依然、木ノ葉のスパイであると秘密裏に伝えたサスケは、顔色を変えずにその場から掻き消えた。
「サスケぇええぇえ────!!!!!」
消えゆく寸前、ナルの悲痛な叫びを耳にしながら。
「───以上が事の顛末です」
「そうか…サスケは『暁』へ行ったか…」
大蛇丸のアジトとは打って変わって、平穏そのものの木ノ葉の里。
シカマルの報告に、五代目火影───綱手は溜息をついた。
「…私としては大蛇丸が死んだ今、帰ってきてくれても構わなかったんだがね」
大蛇丸が死んだという件に関しては、正直に言って綱手は半信半疑ではあった。
しかしながら、シカマルもサスケから聞いた話をそのまま伝える他ない。
綱手が此度与えた任務は、暁のサソリが大蛇丸の許に送り込んだスパイを拘束し、木ノ葉に連れ帰ること。
だが大蛇丸が出てくる可能性を考慮し、この度、サスケがスパイだと知っているシカマルを同行させた綱手は眉間を指で押さえた。
【根】から派遣された左近と鬼童丸。
彼らの死亡を既にヤマトから報告を受けている綱手は、顔を不快げに歪める。
かつてサスケの里抜けに助力し、結果的に【根】に捕らえられた『音の五人衆』。
唯一生存していた左近と鬼童丸を、ダンゾウは天地橋へ向かわせた。
結果、もたらされた死に、それみたことか、と綱手は苦虫を?み潰したような表情で舌打ちする。
実際は生存しており、ナルトと共にいるのだが、その真実を知らぬ綱手は、シカマルに話の続きを視線で促した。
五代目火影の視線を受けたシカマルは、自らが知る任務内容の全貌を語る。
サソリのスパイであったカブトは大蛇丸に寝返っていたかと思
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