間章3 闇にうごめく征服者
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なかった。だが考えてみればただの異世界人をショッカーが全幅の信頼を置くはずもない。使えないと分ければ『処分』されるのがオチだ。
だが恐怖に固まる鳩川を見かねた若者風の幹部が助け舟を出す。
『まあいいじゃないか…スパイは殺したんだしさ。それより鳩川君、そっちの世界での進捗状況を教えてほしいな。聞くところによると君は活躍してるそうじゃないか』
鳩川は冷や汗をかきながらスーツの内ポケットから数枚の書類を取り出して読み上げる。
「はい。現在、GOD秘密警察と連携して財界人、大学教授、政府要人を内部協力者に仕立て上げている最中です。
さらに海外においてはベルリン支部、香港支部、ニューヨーク支部の設置が完了し、現在、征服作戦を遂行中であります。ジャカルタ支部、ブラジリア支部、ラゴス支部、イスタンブール支部の設置完了はもう間もなくでございます」
震える声で鳩川は続ける。
「数ヶ月後には衆院選も控えております。我々、日本支部としましてもその際に与党となるべくありとあらゆる工作を行っているところです。仮に第1党になれなかったとしても現在の与党には連立合意を結ばせる予定です」
『ほう……』
「そのために第1段階として他の野党へのネガティブキャンペーンを展開しております。間もなく第2段階を実行予定です」
『改造人間の製造に関しては?』
鳩川は顔を上げる。その表情は死への恐怖に引きつり、脚はガタガタと小刻みに振動していた。
「これは日本に限った話ではないのですが……、主に大学生などの若者や格闘家などを拉致して改造してます。さらにEUや中国、ロシア、中東、アフリカでは体制に不満を持つテロリストやレジスタンスに武器の支援を行っております」
『確か、日本支部における征服計画は君の立案だったね。それなりに成功を収めている……と』
若者はモニター越しに死神博士に向き、提案を開始した。
『どうでしょう?死神博士、鳩川はまだ利用価値があるみたいですし、殺すのは時期尚早かと……』
『うむ、それもそうだな……』
死神博士は何かを考える素振りを見せた。
『よし、鳩川よ。今回の貴様の失態に関してだが順調に進んでいる征服計画に免じて貴様の失態を許そう』
「ありがとうございます!!」
鳩川は勢いよく土下座をして感謝する。
『だが今回だけだ。2度目はないぞ。次、何か失敗したら命は無いと思え。貴様の代わりなどいくらでもいるのだからな』
土下座の姿勢のまま、死神博士の冷血な言葉に鳩川は再び身震いする。
ショッカー 日本支部は世界征服の野望に向け、暗躍し続ける。多くの日本世界の住民の血を塗り
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