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転生したらまたしても猫娘だった件
NO.014 鍛冶職人
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リムルとイズクはなぜかいい鍛冶師を紹介するという事の代わりに昨日に与えた回復薬を売ってくれないかとカイドウに頼まれていて、まだこの世界でどの程度の価値があるのかわからないためにあまり気乗りはしなかったのだが、お金になるというのである意味でカイドウの話す通りに交渉が成立して、いくつか回復薬を譲っていたのであった。

「代わりにいい感じにこの世界の流通の流れとか教えてくれませんかね? なんせただのスライムなんでわからないもので」
「いいっすけど……」

そんな話をしているリムルにイズクはこっそりと思念伝達をして話しかける。

《リムルさん、話は聞くのはいいけど……自分で作った設定をもののみごとに否定しているけど、いいの……?》
《いいって。それにこの世界の常識が知れる機会なんていつ訪れるか分からないんだからこの際聞いておくのもいいんじゃないか?》
《まぁ……そうだね》

それでイズクもなんとか納得していた。
確かに情報は力である。
それがなければこの先上手く立ち回りも出来なくて立ち止まってしまう。
停滞はある意味次の考えをすることができないのでかなり危ない。
それならこの場で常識を身に着けてもいいのではないか?
そう、納得し、イズクとリムルはカイドウとの話し合いが続けられていった。
そして久しぶりにまともな食事も出してもらえたのでイズクとしては多少はマシになったと実感しながらも大事に頬張っていた。

しかし、そんなイズクの食事風景を見ていたリムルとカイドウ、ゴブタはというと、

「なんか……イズクの嬢ちゃんの食いっぷりは癒されますね」
「そうだろ! 今まで丸焼きしか食べてなかったから新しい味に飢えてんだろうな。俺も味覚があればなぁ……」
「イズク様、可愛いっす!」
「ふぇっ?」

やはり無自覚に多人数を一気に魅了をしていく体質は生前も含めて治らないものである。
さらにスキルの効果でおそらく威力が倍になっていることから、これからイズクはもし自覚して魅了をしていくと大変な事になるだろう。
……まぁ、イズクに限ってそんな事はおそらく起こらないのだろうが……。
それでも、生前に『施しの英雄』とまで言われていたほどにイズクは無自覚ではあるがカリスマを備えている事が伺えるものである。
ドワルゴンに入る前に発した服従スキルも吟味して、言葉一つでいくつもの集団が統制された軍隊の様に動くさまを想像したリムルはというと、そんなイズクに対して出した感想が、



『これからイズクの手綱もしっかりと握っていかないと大変な事になるぞ』



と、すでにイズクが出しているその可能性の片鱗を垣間見て戦々恐々としているのであった。
そのリムルの想像が実現するのはそう遠くない未来かもしれない……。




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