第10話 なのはの日記+α(高町なのは@6歳)
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る、、、そんな少し変わった子だ・・・・・・
まずは茶を勧め、返礼を受け取った後に、高町士郎はそんな彼をじっと見て、どのように話を切り出すべきか、しばし考えた。
「・・・あの、例の件《闇の書》について何か問題でも起きましたか?」
士郎の沈黙から穏やかならざる事態を想像したのであろう。
高貴は自身が抱える――そしてそれを士郎にまで負わせてしまった――特大の火種について尋ねた。
「いや、例の件は今回の話には関係ないよ。」
直接的には、だけどね・・・胸の内で独り言つ士郎。
例の件、3月に高貴が持ち込んだ『闇の書』、その隠匿、、、は非常にシビアでデリケートな問題だった。
高貴の言を信じるのならば、敵対する――少なくとも利害において衝突している――相手は管理局という未来の超テクノロジーを持つ謎の集団。
これが単なる異能者の集団であれば裏にコネを持つ士郎にならば、十分に対処の余地がある案件だっただろう。
しかし、管理局などという胡乱な集団を相手に、何の成算も立たないうちから進んで対立するなど正気の沙汰ではない。
八神家に同情せざるをえない面は多々あるが、家族を想い一線を退いた過去を持つ士郎としては、そのような厄介事を抱えるわけにはいかなかった・・・本来であれば。
だが、愛娘のなのはにも『闇の書』以上に執拗に狙われかねない『特別』な『異能』が宿っているとあっては、よもや無視するわけにもいかなかった。
高貴曰く、『闇の書』の所在の露見はなのはの『異能』の露見とほぼイコールであり、それはそのまま娘へも魔の手が伸びるということを意味するのだから。
そしてもしもそうなってしまえば、なのはが自ら進んで管理局に捕らわれるか、地球全土を巻き込んだ管理局との悲惨で絶望的な戦争しかおよそ他に道は無い、とも。
かつて、この話を聞いた時には、小娘一人を確保するために地球《世界》を滅ぼすのか、などと笑い飛ばしたくなったのもまた確かである。
しかし、一笑に付すには『闇の書』は得体が知れなさ過ぎた――裏の人脈を生かし極秘裏に鑑定を依頼するも結果は解析不能《アンノウン》、何らかの神秘的な力により比類を見ぬほど強固な封印がかけられていることのみ判明――し、娘のなのはから迸る才気もまた余りに眩し過ぎた。。。
加えて、自身の秘密をある程度――それも十分に異常の範疇であった――明かして見せた高貴が、なのはの『異能』に関しては頑なに沈黙を守ったという事実。これもまた、不気味な説得力を持っていた。
そんな特別厄介な問題が発生したために、本来であればもっと早く――それこそ高貴が問題を持ち込んだ3月には――今回の話をするはずだったのが、ここまで遅延していたのだ。
ともあれ、士郎にそのような事情をわざわざ語ってみせる気はなかったし、今
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