第1部
アッサラーム〜イシス
再びピラミッド探索
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次の日、私たちは再びピラミッドにやってきた。
今度はそのまま十字路を過ぎて、真っ直ぐ歩くことにした。果てしなく長い通路が続く。やはり昨日と似たような造りになっており、外の光は殆ど入ってこないのか、明かりがないと暗がりで全く見えない。松明だけでは不安なので、昨日道具屋で購入したカンテラもつけているが、それでも視界はいいとは言えない。
「待て、また十字路が見える」
うわ、ホントだ。昨日と全く同じ状況である。
「今度はひっかからねーぞ!」
ナギは、手近にあった小石を放り投げる。地面に落ちたとたん、ぼろぼろと剥がれるように石の地面が抜け落ちていき、昨日と同じ大きな穴ができた。
「ちっ、ワンパターンなんだよ!」
別のところで地面を蹴り、悪態をつくナギ。念のため周囲の地面も軽く叩いてみる。やはり先ほどと同じく穴ができ、それは何ヵ所にも渡った。
「皆、気をつけてね」
私が言うまでもなく、皆はそろりそろりと注意深く落とし穴を避ける。それらをなんとかかわし、さっきと同じように三方に分かれている道を順に調べることにした。
まずは正面。だが、しばらく進んだところで行き止まりになってしまった。石壁を触ってみるも、特に怪しいところはない。
「別に仕掛けがあるわけでもないな。ただの壁だ」
一行は引き返し、先程の十字路までまた戻る。今度は右側の通路に行ってみることにした。
そこは昨日人喰い箱がいた部屋と同じような造りで、やっぱり同じように箱が何個も置いてあった。三度目ともなるといい加減うんざりしてくるのか、つい気が緩んでしまう。だがまた魔物と戦うことになっては大変なので、当初の通り一つずつ慎重に開けていく。ちなみに宝箱を開けるのは昨日と同じく、ナギに一任してある。
「おい、これ見ろよ」
そう言われ、私たちは箱の中身を覗き込む。箱に入っていたのはゴールド、つまりお金だった。
しかもたった50ゴールド。その辺の魔物と戦った方が多く手に入るくらい、ショボい金額だった。
「えーと、つまりこれが……」
「ここにある唯一のお宝ってわけ」
投げやりな口調で言い捨てるナギ。てことは、他の箱は魔物か空っぽしかないってことか。
「そんなあ……」
へなへなと、私はその場にへたりこんだ。二日がかりで、こんなに苦労してまで得たものが50ゴールドだなんて……。
いやいや、目的はそこじゃない、魔法の鍵なんだ。気を取り直して残りの通路を調べなきゃ。
「ここが最後の通路だ。行くぞ」
ああ、どうかこの先に階段がありますように。もし昨日落ちた地下にあるんだとしたら、また行かなきゃならない。それだけは絶対に嫌だ。
なんて祈っていたら、祈りが神様に通じたのだろうか。開けた場所に、上に続く階段があるではないか。
「やった! 階段だ!」
私が歓喜の
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