第1部
アッサラーム〜イシス
再びピラミッド探索
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そう。ロズさんの見せてくれた本に、やたらと太陽の絵が描いてあったけど、その絵とこのボタンの絵がそっくりなのだ。それにさっき思い出した女の子が歌っていた歌詞。それらを組み合わせると、一つの答えが導き出される。
「きっと、このボタンを押せば、扉が開かれるんだよ!」
「は?! どういうことだよ?!」
私はイシスで聞いた歌のことをナギに話した。すると彼も同じような考えにたどり着いたのか、納得してくれた。
「なるほどな。確かに、お前の推理が正しいと思う。けど、ここには二つボタンがあるぜ? どっちを押すんだ? それとも、両方?」
「そこまではさすがにわかんないよ。とりあえず、戻ってユウリたちにもこのことを話してみようよ」
「そうだな。下手に先にボタン押されて取り返しのつかないことになったらヤバイからな」
「……という訳で、ボタンを押せばさっきの扉が開くと思うんだけど、どういう風に押せばいいと思う?」
ユウリたちと合流した私たちは、二人にさっきのことを話した。
ユウリたちも同じ事を考えていたらしく、私たちが見たのと同じようにボタンが二つあるのを確認したあと、私たちのところに戻ろうとしていたらしい。
「お前が覚えた歌って、どんな歌だ?」
私はさっき思い出した歌の歌詞をユウリに伝えた。
ユウリはそれきり黙って考え込む。やがて、私の方をみて尋ねてきた。
「お前らのところにあったボタンも、二つだったんだよな?」
「うん」
「こっちにも二つボタンがあるということは、ボタン自体が東と西を表してるのかもな」
そう言うとユウリは壁の方を見回す。
「ここじゃわからないな。一回扉のある方まで戻るぞ」
「え? どうして?」
私の問いに、彼は面倒くさそうに答えた。
「あそこが一番日の光が入ってただろ。光があれば影が見える。影の方向がわかれば、どっちが東でどっちが西かわかるだろ」
「あ、なるほど!」
まず二ヶ所あるボタンの場所が、どの方角にあるかを調べる。扉のある十字路は開けており、四方に明かりとりの窓があるので真ん中に誰かが立ってでもすれば、影がどの方向に伸びているかがわかる。
その方向と今の時間を考慮した結果、私たちがさっきいった場所が東側、ユウリ達が西側だということがわかった。
「てことは、東の西から西の東、西の西から東の東だから……」
「最初にお前らが行った場所の西側のボタン、そのあと俺たちが東、西の順で押す。最後にお前らがもう一方のボタンを押す。それで扉が開くはずだ」
「う、うん。わかった」
私たちはボタンを効率よく押すため、配置を考えた。まず、さっきみたいに私とナギが東側のボタンのところまで行く。同時にユウリとシーラも西側のボタンの所へ。私が先に西側のボタンを押したら、ナギが一人で『しのびあし』
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