第1部
アッサラーム〜イシス
再びピラミッド探索
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にし、先に笑いぶくろの方に向かって走り出す。だが、敵の呪文?のせいなのか、いつもより足が遅くなっていて、なかなか攻撃を仕掛けることができない。
やっと近づいて笑いぶくろに一撃を与えようとするのだが、相手が素早いのか私が遅いのかわからないが、紙一重でかわされてしまう。
なんてやってる間に、先に大王ガマが横手から体当たりを繰り出してきた。頭では反応しているつもりなのに体がついていかないのか、避けきれず右肩に大王ガマの攻撃が当たってしまった。
「痛っ!!」
バランスを崩し、そのまま横に倒れてしまう。幸い受け身はとっていたので大事には至らなかったが、思うように動けないのは精神的にも辛い。
その隙に笑いぶくろが再び何かを仕掛けるようなしぐさをし始めた。また呪文を唱えられたら厄介だ。そう思い、急いで起き上がろうとするが、どうしても動きが緩慢になってしまう。一体どうなってるんだろう?
「くそっ!!」
同じく素早く動けないナギが、持っていたチェーンクロスを笑いぶくろに向かって投げつけた。それは見事笑いぶくろに当たり、魔物はチェーンクロスごと壁に叩きつけられた。
「ミオ、あとは頼む!」
私は無言で頷いて、再び笑いぶくろに向かってダッシュする。魔物が気を失ってる間に、私は渾身の力を込めて正拳突きを放った。
なんともいえない悲鳴をあげながら、致命傷を負った笑いぶくろはやがて事切れた。倒れると袋の口がだらしなく開け放たれ、中に入っていたであろう大量のゴールドが溢れ落ちていた。
とりあえず戦いが終わったらあとで拾ってみるとして、残りの一匹を倒すことにする。体の方はまだ本調子ではないが、ちょっとずつ元に戻っている気がした。
「ナギ!!」
呼ぶと同時に、私は落ちていたチェーンクロスを彼に向かって放り投げた。彼は器用にそれを受けとると、短くお礼を言って大王ガマの方に駆けていった。私もあとに続く。
ナギが向かうより早く、大王ガマの方から攻撃を繰り出してきた。ナギはそれを難なくかわすと、武器を思い切り振りかぶり、魔物目掛けて攻撃を叩き込んだ。
大王ガマは悲鳴をあげながら、その場に吹っ飛ばされた。まだ息はあるのか、仰向けに倒れたままなにやらモゾモゾと動いている。そしてその体勢のまま、再び悲鳴をあげた。いや、先程の悲鳴とは種類が違う。これは悲鳴と言うよりーー。
「あれ……? なんか急に眠く……」
前方にいたナギが、いきなりゆっくりとその場に倒れ伏す。と、間もなく彼の寝息が聞こえてきたではないか。
まさか、寝ちゃったの?!
ということは、今魔物が叫んだのは、悲鳴ではなく呪文――。先程笑いぶくろがやったのと同じ状況だ。
まずい。ここで私がやられたら全滅になりかねない。焦りと恐怖が一気に押し寄せてきて、汗が頬を伝う
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