暁 〜小説投稿サイト〜
俺様勇者と武闘家日記
第1部
アッサラーム〜イシス
再びピラミッド探索
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
はずんずんと奥に進み、その怪しい扉に触れた。当然だがそれで開くわけはなく、かといって開けるための取っ手のようなものもない。なのでどうやって開けたらいいのかもわからない。
 ユウリが触れたところを見てみると、何やら古代文字らしきもので書いてある。けれど古代文字など読める人はここにはおらず、何てかいてあるかはわからない。どうしたものかと考えあぐねていると、
「ねえ、これ『太陽』って書いてあるんじゃない?」
 と、文字を指差しながらシーラが尋ねてきた。
「シーラ、その文字読めるの?!」
「ううん。わかんないけど、確かお城でロズぽんに本を見せてもらったときに、おんなじ字が書いてあった気がする」
 ロズぽん……? ああ、ロズさんか。そう言えばピラミッドについての本を見せてもらったとき、太陽がどうのこうのって言ってたっけ。
「そうか。『太陽』がキーワードになってるってことか」
 ユウリもシーラの言葉に納得したのか、頷いている。
「すごいね、シーラ。よくそんなの覚えてたね」
「えへへ。こーゆーの覚えるのは得意かも☆」
 シーラの意外な特技が明らかになったところで、私たちは新たな問題に直面した。おそらく、この古代文字にかかれてあることをしないと、扉は開かれないようだ。
 だからといって周囲を見回しても、他に扉を開けるヒントのようなものもない。なのでとりあえず分かれ道のところまで戻ることにした。
「時間が惜しい。ここから二手に別れてなにか手がかりになるものがないか探すぞ」
 戦闘のバランスを考え、ユウリとシーラ、私とナギで左右の道を探索することに。
「んじゃ、オレらは右に行くぞ」
 ナギが先導し、私もあとに続く。歩きながらふと気づいて通路の壁を見ると、下の階よりも凝った模様の壁面になっていて、なんとなく他の階とは違う印象が窺える。
 などとぼんやり考えていると、ひび割れた壁の隙間から見たことのない魔物が現れた。
「まっ、魔物?!」
 それは魔物と言うより、顔が描かれた大きな袋だった。あとでユウリに聞くと、その魔物は『笑いぶくろ』というらしい。その『笑いぶくろ』のあとに、さっき戦った『大王ガマ』が続けて姿を現す。
 笑いぶくろはニヤニヤと不気味な笑みを湛えながら、ぴょんぴょんと跳び跳ねてこちらに近づいてきた。けれど私が身構えると同時に、そいつはその場に立ち止まる。そしてなにやら鳴き声を上げたかと思うと、急に自分の体が動かなくなるのを感じた。
「おい、なんか体が動きづらくなってねえか?」
 隣にいるナギも、私と同じ状況になっているようだ。確かにいつもより体が動かない……というか、鈍くなっている気がする。
「きっとあの袋が何かの呪文を唱えたのかもしれねえ! あいつを先に倒すぞ!!」
「うん!!」
 ナギの言うとおり、大王ガマを後回し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ