第1部
アッサラーム〜イシス
再びピラミッド探索
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そんなあ。じゃあまた上の階を探すしかないのか。それに、まだ地下にあるという可能性もあるので、油断はできない。
とりあえず上へ登る階段があるかいろいろ探索したのだが、行き止まりや迂回路だったり、小部屋があったと思ったら、箱すらなかったり。
どのくらい時間が経ったのだろうか。外が見えないので時間の経過がわからないが、途中何度も魔物に遭遇し、戦うごとに体力が消耗してきているのはわかる。それと同時に、空腹感も感じていた。
「ふぁあ、お腹空いた〜☆ ねえねえ、何か食べない?」
「ほらよ、携帯食」
振り向いたナギが、空腹を嘆くシーラに向かって携帯食を放り投げた。シーラはしぶしぶそれを口に運ぶ。
「わかってはいるんだけどさ、これだけじゃやっぱ足んないよね」
「お前の場合は酒がありゃいいんだろ」
「そんなことないよ! スモークチーズと炙ったソーセージも欲しいもん!」
「酒の肴じゃねーか!」
などとナギとやりとりをしながらも、しっかり携帯食を食べる彼女は、こんなダンジョンの中でも常にハイヒールを履いている。よく転ばないなと思うのだが、本人は慣れているのか全く気にしてないようだ。
私も持っていた携帯食をかじりつつ、地図とにらめっこしている。描いた地図が正しければ、この先はT字路になっていて、片方が行き止まりのはずだ。
「おーい、ユウリ! その先はどうなってる?」
先に様子を見てもらっているユウリに声をかけるナギ。するとほどなくユウリが戻ってきた。
「予想通り行き止まりだ。この先には何もない。次行くぞ」
そう言って、そのまま私たちの横を通りすぎ、もう一方の道へと歩く。私たちも揃って後を追いかけた。
幸いなことに、この先はほとんど一本道だった。魔物こそ現れたが、分岐が多く何度も行ったり来たりするよりかはマシだった。
そして、私たち一行が進んで来た先にあったのは、またしても上へ続く階段であった。
「また上に行くのかあ……。いいんだか悪いんだか」
はあ、と一人ため息をつく私。他の三人も疲れた顔をしている。しんどいのは私だけではないようだ。
ともあれ、ここで立ってるわけにもいかないので、三階へ登ってみる。もちろん罠の警戒も怠らない。
三階は他の階に比べて真っ暗という訳ではなく、天井近くの壁には、所々一定の間隔で四角い穴があり、それが明かり取りの窓となって室内に光をもたらしていた。
「なんか今までと雰囲気が違うね」
「そーだね♪ なんか明るくていい感じ☆」
穴から差し込む微かな陽光を眺めながら私が言うと、シーラも明るい場所に来たからかテンションが上がっている。
階段のある部屋からは、正面と左右に分かれる道があり、正面奥にはなにやら大きい石造りの両開きの扉がある。
「見るからに怪しい扉だな」
そう言うとユウリ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ