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犬にはわかる
第三章

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「入手ルートとか色々ありますからね」
「そう、だからね」
「それで、ですね」
「明日朝にでもね」
「あの子達がいたところに行って」
「ザビーネと一緒にね、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「証拠探してね」
「そしてですね」
「証拠があったら」 
 その時はというのだ。
「通報しましょう」
「わかりました」
 薫は麻友の言葉に真剣な顔で頷いた、そしてだった。
 翌日朝早くまだ暗いうちに二人はザビーネを連れて公園に行った、そうして昨夜彼等がいた場所に行って。
 調べているとザビーネがだった。
 公園の木々の中に注射器を見付けた、薫はそれを見て顔を強張らせて言った。
「間違いないですね」
「覚醒剤ね」
「それですね」
「道理でおかしかった筈だわ」
「こんなのやっていたら」
「もう犯罪よ」
 完全にというのだ。
「だからね」
「通報ですね」
「ええ、すぐにこれ警察に持って行って」
「瓶田さんの長男のこともですね」
「お話しましょう」
「はい、それじゃあ」
「おかしいと思ったら」
 麻友はさらに言った。
「こういうことだったのね」
「覚醒剤ですか」
「こんなのするとか」
「身体ボロボロになるのに」
「おかしな人達とは思っていたけれど」
「子供がこんなものに手を出すなんて」
 覚醒剤にというのだ。
「もうね」
「本当にですね」
「とんでもない人達よ」
「そうですね」
「だからね」
「すぐにですね」
「警察行きましょう」
 こう話してだった。
 実際に二人は警察にその注射器を持って行って事情を話した、それが終わるとすぐに警察は動いてだった。
 瓶田家に警察が入った、その結果。
「一家でね」
「麻薬を売っていてですね」
「そしてね」
 それでだったのだ。
「手も出していたのね」
「本物の犯罪者だったんですね」
「ええ、けれどね」
「皆逮捕されたんで」
 一家全員がだ。
「もう大丈夫ですね」
「ええ、けれどね」
 麻友は暗い顔で言った。
「あんな人達がいること自体がね」
「嫌ですよね」
「犯罪で暮らしている一家なんて」
「ええ、それにね」
「それに?」
「あの家犬を飼ってたのよ」
 麻友は薫にこのことを話した。
「どうやらね」
「あんな一家に飼われていたら」
「わかるわよね」
「虐待されてましたね」
「ええ、随分とね」
 そうなっていたというのだ。
「茶色の毛の柴犬だけれど」
「そうですか」
「それで随分怯えていて」
 それでというのだ。
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