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犬にはわかる
第二章

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「後はね」
「そうですか」
「そういうビジネスもあるでしょ」
「犬とか猫の」
「ペット業界も色々あるからね」
「闇ですよね」
「その闇みたいなことしたくないから」
 それでというのだ。
「だからね」
「それはしないですか」
「ええ、そうしたいから」
「今赤ちゃん生んだらですね」
「そうしたらね」
「後は、ですか」
「そうするわ」
 ザビーネに不妊手術を受けてもらうというのだ、こうしたことを話しつつだった。
 麻友は薫そしてザビーネと楽しい生活を過ごしていた、その中で。
 その瓶田家の長男が公園で不良仲間とだべって馬鹿騒ぎをしていた、夜にザビーネの散歩を会社から帰ってしていた麻友はそれを見て顔を顰めさせてだった。
 散歩の道を変えて彼等を避けることにした、だが。
「ガルル・・・・・・」
「?ザビーネ」
 ザビーネは彼等を見て鋭い目になり唸っていた、それに気付いたその彼等が怒ってきた。
「姉ちゃん何だよその犬」
「俺達に吠えてるけれどな」
「文句あるのかよ」
「犬の躾位しとけよ」
「御免なさい」
 難を避けて麻友は去った、勿論ザビーネを連れて。
 だがザビーネはずっと彼等を睨んでいた、麻友が行きましょうと言ったのでそれを聞いて下がったが。
 家に帰ってからだ、麻友は薫にこう話した。
「あの瓶田さんの長男に会ったわ」
「あの人達にですか」
「公園でお友達と一緒に騒いでいたわ」
「そうだったんですか」
「まだ子供なのにお酒飲んでいたみたい」
「本当にどうしようもない人ですね」
「ええ、ただね」
 ここで麻友は顔を曇らせて薫に話した。
「それだけじゃないみたいよ」
「それだけじゃないっていいますと」
「この娘が唸ったのよ」 
 ザビーネを見て話した。
「凄くね」
「ザビーネがですか?」
「そうなのよ」
「こんな大人しい娘が」
「唸ったところなんて見たことないわね」
「はい、一度も」
 薫は信じられないという顔で応えた。
「ないです」
「それがよ、そしてね」
「そして?」
「この娘前は空港にいたでしょ」
「麻薬取締犬で」
「つまりね」
「麻薬にですか」
 薫もここで顔を曇らせた。
「反応しますか」
「そう、だからね」
「まさかと思いますが」
「そのまさかよ」
 麻友は薫に真剣な顔で言った。
「あの子達ね」
「麻薬しているんですか」
「その可能性はあるわ」
「犯罪ですか」
「ええ、だからね」 
 それでというのだ。
「ここはね」
「証拠掴んで、ですか」
「通報した方はいいかも知れないわ」
「そうですね、麻薬は使うだけでも犯罪ですが」
 それだけでなくとだ、薫も言った。
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